鼻腔逆生歯に対して内視鏡下で摘出した小児の1例

逆生歯とは通常の歯列とは異なる部位に萌出した歯のことと定義されている。 鼻漏・鼻閉・鼻出血, もしくは偶然無症状で発見されることも多い。 好発年齢は若年者に多く20歳未満の症例が半数以上であるが, 就学児未満での報告は比較的少ない。 今回1歳8ヵ月で逆生歯が偶然発見された症例を経験した。 低年齢であったため外来で経過観察を行っていたが鼻汁過多, 逆生歯周囲の肉芽増生などを認めてきたため2歳3ヵ月で内視鏡下で経鼻的に逆生歯を摘出した。 鼻腔内逆生歯は診断がついた後にも保存的に経過観察されることも多い。 しかしながら最初は無症状でも成長とともに症状が出現する可能性もあり, 完全摘出が望ましいという...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 62; no. 4; pp. 175 - 178
Main Authors 永井, 美耶子, 野坂, 瞳, 柳原, 太一, 小森, 学, 麻植, 章弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.08.2019
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.62.4_175

Cover

More Information
Summary:逆生歯とは通常の歯列とは異なる部位に萌出した歯のことと定義されている。 鼻漏・鼻閉・鼻出血, もしくは偶然無症状で発見されることも多い。 好発年齢は若年者に多く20歳未満の症例が半数以上であるが, 就学児未満での報告は比較的少ない。 今回1歳8ヵ月で逆生歯が偶然発見された症例を経験した。 低年齢であったため外来で経過観察を行っていたが鼻汁過多, 逆生歯周囲の肉芽増生などを認めてきたため2歳3ヵ月で内視鏡下で経鼻的に逆生歯を摘出した。 鼻腔内逆生歯は診断がついた後にも保存的に経過観察されることも多い。 しかしながら最初は無症状でも成長とともに症状が出現する可能性もあり, 完全摘出が望ましいという意見も多い。 本症例のような低年齢の場合には両親の意向を踏まえながらより早期に加療を行っていくことが肝要であると考える。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.62.4_175