当科における鼻副鼻腔内反性乳頭腫39症例の治療成績

今回われわれは, 過去8年間に当科で鼻副鼻腔内反性乳頭腫に対して内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行し, 術後6ヵ月以上経過した39症例を対象に, 患者背景, 観察期間, 初回手術・再手術, 腫瘍の進展範囲, 治療方法, 再発率, 再発時期, 再発腫瘍基部について後ろ向きに検討を行った。 年齢は平均54.9歳, 男性26例, 女性13例, 術後観察期間は平均30.44ヵ月, 初回手術症例は36例, 過去に内視鏡下鼻副鼻腔手術の施行歴がある再手術症例は3例であった。 進展度は T1 が1例, T2 が11例, T3 が27例, T4 が0例。 再発は2/39例 (5.13%) でいずれも T3 症例であっ...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 62; no. 6; pp. 261 - 266
Main Authors 源馬, 亜希, 飯村, 慈朗, 岡田, 晋一, 三浦, 正寛, 竹下, 直宏, 千葉, 伸太郎, 太田, 史一, 井上, 大介, 近藤, 農
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.12.2019
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ISSN0386-9687
1883-6429
DOI10.11453/orltokyo.62.6_261

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Summary:今回われわれは, 過去8年間に当科で鼻副鼻腔内反性乳頭腫に対して内視鏡下鼻副鼻腔手術を施行し, 術後6ヵ月以上経過した39症例を対象に, 患者背景, 観察期間, 初回手術・再手術, 腫瘍の進展範囲, 治療方法, 再発率, 再発時期, 再発腫瘍基部について後ろ向きに検討を行った。 年齢は平均54.9歳, 男性26例, 女性13例, 術後観察期間は平均30.44ヵ月, 初回手術症例は36例, 過去に内視鏡下鼻副鼻腔手術の施行歴がある再手術症例は3例であった。 進展度は T1 が1例, T2 が11例, T3 が27例, T4 が0例。 再発は2/39例 (5.13%) でいずれも T3 症例であった。 今後さらに再発率を低下させるには, 現在当科が行っている術前基部推定や分割切除で基部を明視下においたうえで完全に腫瘍基部を摘出することや, 骨肥厚部の骨削除に加え, Margin study の追加や再手術症例に対する拡大手術を考慮していく必要があると考えた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.62.6_261