減圧後に施行した癌性腸閉塞に対する腹腔鏡下大腸切除術の適応と限界

【目的】術前に腸管の十分な減圧が可能であった癌性腸閉塞症例に対する腹腔鏡下大腸切除術(以下,LAC)の有用性と安全性を検討した。【方法】1991年10月から 2007年7月までに当科で経験した癌性腸閉塞LAC 27症例を開腹大腸切除(以下,OC)症例8例と比較し背景因子,手術,術後疼痛,術後経過,術中偶発症,術後合併症,予後について検討した。【結果】LACはOCに比べ,手術時間は差がなく,出血量はLACが少なかった。経口摂取開始はLACが早く,術後在院日数が短縮していた。術中偶発症,術後合併症の発生には有意差を認めなかった。【結論】術前減圧処置によりLACが施行可能であった腸閉塞症例では術後経...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 28; no. 1; pp. 53 - 58
Main Authors 杉山, 和義, 大内, 昌和, 菅野, 雅彦, 李, 慶文, 勝野, 剛太郎, 福永, 正氣, 永仮, 邦彦, 須田, 健, 津村, 秀憲, 吉川, 征一郎, 伊藤, 嘉智
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2008
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.28.53

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Summary:【目的】術前に腸管の十分な減圧が可能であった癌性腸閉塞症例に対する腹腔鏡下大腸切除術(以下,LAC)の有用性と安全性を検討した。【方法】1991年10月から 2007年7月までに当科で経験した癌性腸閉塞LAC 27症例を開腹大腸切除(以下,OC)症例8例と比較し背景因子,手術,術後疼痛,術後経過,術中偶発症,術後合併症,予後について検討した。【結果】LACはOCに比べ,手術時間は差がなく,出血量はLACが少なかった。経口摂取開始はLACが早く,術後在院日数が短縮していた。術中偶発症,術後合併症の発生には有意差を認めなかった。【結論】術前減圧処置によりLACが施行可能であった腸閉塞症例では術後経過は良好で,適応症例を慎重に選択し,術前に十分な減圧が可能であれば癌性腸閉塞症例に対しても本術式の適応は可能であると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.28.53