急性硬膜下血腫で発症した破裂脳動脈瘤 3例の検討
「はじめに」破裂脳動脈瘤による出血がクモ膜下腔のみではなく硬膜下にも及ぶことはまれではない. しかし出血がほとんど硬膜下に限局していてクモ膜下出血が目立たず, 当初原因不明の急性硬膜下血腫 (以下ASDH) と診断された場合, 破裂脳動脈瘤 (以下RA) をすぐに思い浮かべて対処することは意外に困難と思われる. 我々は当初原因不明のASDHと診断された3例のRA症例を経験したので, その臨床的特徴, マネジメントについて文献例もまじえて検討を行った. 「対象」過去5年間に当科にて治療され, RAが確定診断されている165例を対象として検索し, 当初原因不明のASDHと診断された2例, および関...
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Published in | 脳卒中の外科 Vol. 25; no. 2; pp. 110 - 113 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
31.03.1997
日本脳卒中の外科研究会 |
Subjects | |
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ISSN | 0914-5508 1880-4683 |
DOI | 10.2335/scs1987.25.2_110 |
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Summary: | 「はじめに」破裂脳動脈瘤による出血がクモ膜下腔のみではなく硬膜下にも及ぶことはまれではない. しかし出血がほとんど硬膜下に限局していてクモ膜下出血が目立たず, 当初原因不明の急性硬膜下血腫 (以下ASDH) と診断された場合, 破裂脳動脈瘤 (以下RA) をすぐに思い浮かべて対処することは意外に困難と思われる. 我々は当初原因不明のASDHと診断された3例のRA症例を経験したので, その臨床的特徴, マネジメントについて文献例もまじえて検討を行った. 「対象」過去5年間に当科にて治療され, RAが確定診断されている165例を対象として検索し, 当初原因不明のASDHと診断された2例, および関連施設にて最近経験された1例を検討した. <症例1> 40歳, 女性. 夜中に気分不快ありトイレにて転倒して頭を打ったらしく, 朝起きると頭痛がして昨夜の記憶があいまいで眼もかすんでいたため近医を受診, 3日後にCTを施行したところ脳内血腫を右側頭葉に認め当科に紹介となった. |
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ISSN: | 0914-5508 1880-4683 |
DOI: | 10.2335/scs1987.25.2_110 |