胆管炎合併悪性胆道閉塞に対するOncologic emergencyとしての適切な胆道ドレナージの検討

2008年1月から2014年6月までに診療した胆管癌46例中,急性胆管炎を合併していた25例を集計し,悪性胆道閉塞による急性胆管炎のドレナージについて検討した。25例中,ドレナージ後に根治術を施行されたものが6例で,残りの19例は切除不能癌であった。ドレナージ後,閉塞や逸脱などのステント不全を発症したものが12例あり,経過中,複数回の入れ替えを余儀なくされた症例もあった。胆管癌による急性胆管炎の治療は,通常の胆管炎と同様,重症度が中等度以上であれば,可及的速やかなドレナージが基本である。それと同時に,癌の切除の可否,切除不能の場合はおおよその予後を判断し,適切なドレナージ方法を選択することが必...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 7; pp. 1263 - 1268
Main Authors 大石, 達郎, 小山, 隆司, 澤田, 隆一郎, 江里口, 光太郎, 川嶋, 太郎, 坂平, 英樹, 高橋, 応典, 宮本, 勝文, 梅木, 雅彦, 栗栖, 茂
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
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Summary:2008年1月から2014年6月までに診療した胆管癌46例中,急性胆管炎を合併していた25例を集計し,悪性胆道閉塞による急性胆管炎のドレナージについて検討した。25例中,ドレナージ後に根治術を施行されたものが6例で,残りの19例は切除不能癌であった。ドレナージ後,閉塞や逸脱などのステント不全を発症したものが12例あり,経過中,複数回の入れ替えを余儀なくされた症例もあった。胆管癌による急性胆管炎の治療は,通常の胆管炎と同様,重症度が中等度以上であれば,可及的速やかなドレナージが基本である。それと同時に,癌の切除の可否,切除不能の場合はおおよその予後を判断し,適切なドレナージ方法を選択することが必要であるが,それらが不明の場合は速やかにENBDを施行し,胆管炎の治療と同時に,引き続き手術や内瘻化を検討することが安全なドレナージ方法と考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.1263