異時性両側性閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対し超音波ガイド下整復術後に待期的鼠径法による修復術を施行した2例

症例は72歳と98歳の女性で,片側の閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して超音波ガイド下非観血的整復術を施行し,後日待期的に鼠径法による修復術を施行した。その後異時性に反対側の閉鎖孔ヘルニア嵌頓を発症し,同様に整復後に待期的鼠径法を施行した。リスクが高い緊急手術を回避し,後日待期的に低侵襲手術を行うことが可能となる点で,術前の非観血的整復術は有用であると考える。術式については,鼠径法は低侵襲で優れた手術法ではあるが,対側の評価や治療が不可能という弱点がある。異時性両側性の2例を経験し,本疾患は両側症例の可能性もあり,今後は対側の評価治療が可能な術式を考慮すべきであると考えられた。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 34; no. 6; pp. 1191 - 1195
Main Author 三上, 和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2014
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Summary:症例は72歳と98歳の女性で,片側の閉鎖孔ヘルニア嵌頓に対して超音波ガイド下非観血的整復術を施行し,後日待期的に鼠径法による修復術を施行した。その後異時性に反対側の閉鎖孔ヘルニア嵌頓を発症し,同様に整復後に待期的鼠径法を施行した。リスクが高い緊急手術を回避し,後日待期的に低侵襲手術を行うことが可能となる点で,術前の非観血的整復術は有用であると考える。術式については,鼠径法は低侵襲で優れた手術法ではあるが,対側の評価や治療が不可能という弱点がある。異時性両側性の2例を経験し,本疾患は両側症例の可能性もあり,今後は対側の評価治療が可能な術式を考慮すべきであると考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.34.1191