健診受診者におけるBMI低値例の臨床的背景 - BMI平均値例との比較検討から

「要約」「目的」 : 当センター受診者5,013例 (男性3,372例, 女性1,641例) を対象に, BMI 18.5未満例の臨床背景と, BMI平均値例との比較検討を行った. 「方法」 : 平均値例 (A群) のBMIを男性は23.8~24.0 (n=130) , 女性は22.0~22.9 (n=183) , BMI 18.5未満例を, B群 : 18.0~18.4 (男性n=22, 女性n=73) , C群 : 17.0~17.9 (男性n=40, 女性n=85) , D群17.0 > (男性n=10, 女性n=45) に分類し検討した. 「結果」 : BMI 18.5未満例は男...

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Published in人間ドック Vol. 34; no. 1; pp. 27 - 34
Main Authors 石川和克, 庵原立子, 角掛篤子, 吉田由貴, 金田一万里子, 藤舘道代, 狩野敦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本人間ドック学会 2019
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Summary:「要約」「目的」 : 当センター受診者5,013例 (男性3,372例, 女性1,641例) を対象に, BMI 18.5未満例の臨床背景と, BMI平均値例との比較検討を行った. 「方法」 : 平均値例 (A群) のBMIを男性は23.8~24.0 (n=130) , 女性は22.0~22.9 (n=183) , BMI 18.5未満例を, B群 : 18.0~18.4 (男性n=22, 女性n=73) , C群 : 17.0~17.9 (男性n=40, 女性n=85) , D群17.0 > (男性n=10, 女性n=45) に分類し検討した. 「結果」 : BMI 18.5未満例は男性2.1%, 女性12.4%であった. TGは女性でA群がB, C, D群に比し有意に高値, かつD群はC群に比し有意に低値であった. クレアチニンは男性でA群がC群に比し有意に高値であった. HDL-C, LDL-Cは男女ともそれぞれA群が, B, C, D群に比し有意に低値, および高値であった. 血清アルブミンは女性でA群に比しC群が有意に高値であった. 男性のC, D群は喫煙が高率の傾向で, 血圧値との関連が示唆された. 女性のBMI平均値例は降圧薬, 脂質異常症薬の服用頻度が有意に高率で, かつ子宮筋腫の既往も有意に高率であった. 脂肪肝は男女ともBMI 18.5未満例は有意に低率であった. 「結論」 : 今回のほぼ健常者における検討では, 男女ともBMI 18.5未満の痩せの例と明らかな健康障害との関連は認められず, 痩せは主に男性では骨格筋の減少を, 女性では皮下脂肪の減少を反映していると考えられた.
ISSN:1880-1021
DOI:10.11320/ningendock.34.27