脳卒中病型別理学療法の開発に向けた脳梗塞後および脳出血後の脳内改善機序の基礎的比較検証
「緒言」脳卒中は, 我が国の3大死因のひとつであり, 発症後に介護が必要となる疾患の原因第1位である. 脳卒中の病型分類のうち脳梗塞と脳出血は, 特に発症頻度が多く, 脳梗塞は脳卒中全体の約75%, 脳出血は約20%を占める. 脳卒中データバンク2015では, 入院時の意識障害は各病型ともに同等の頻度で認められるが, 片麻痺を認める頻度は, 脳梗塞の方が脳出血より多い. しかし, 予後不良の割合は, 脳梗塞より脳出血の方が多いことが記されている. これまでにリハビリテーションを施行した場合の脳梗塞患者と脳出血患者の機能改善について比較検証した臨床研究が報告されている. 年齢, 発症後経過日数,...
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Published in | 理学療法学 Vol. 44; no. 2; pp. 156 - 157 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士学会
2017
日本理学療法士協会 Japanese Society of Physical Therapy |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0289-3770 2189-602X |
DOI | 10.15063/rigaku.44_156 |
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Summary: | 「緒言」脳卒中は, 我が国の3大死因のひとつであり, 発症後に介護が必要となる疾患の原因第1位である. 脳卒中の病型分類のうち脳梗塞と脳出血は, 特に発症頻度が多く, 脳梗塞は脳卒中全体の約75%, 脳出血は約20%を占める. 脳卒中データバンク2015では, 入院時の意識障害は各病型ともに同等の頻度で認められるが, 片麻痺を認める頻度は, 脳梗塞の方が脳出血より多い. しかし, 予後不良の割合は, 脳梗塞より脳出血の方が多いことが記されている. これまでにリハビリテーションを施行した場合の脳梗塞患者と脳出血患者の機能改善について比較検証した臨床研究が報告されている. 年齢, 発症後経過日数, 性差, 入院時神経症状スコア, 入院時日常生活活動(ADL)スコア, リハビリテーション期間が同等の脳梗塞患者135名と脳出血患者135名に対してリハビリテーションを実施したところ, 神経症状スコアおよびADLスコアはともに脳出血患者の方が脳梗塞患者より有意な改善を認めたと報告されている. |
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ISSN: | 0289-3770 2189-602X |
DOI: | 10.15063/rigaku.44_156 |