大動脈弁狭窄症に対する弁置換術後の高次脳機能障害予測における脈波伝播速度の有用性
「諸言」 心臓手術の周術期死亡率は近年の手術手技や麻酔技術の向上により著しく低下しているが, 術後脳障害なかでも高次脳機能障害(postoperative cognitive dysfunction: POCD)はいまだ30-65%と高率である. POCDは重大な術後合併症の一つで, 退院後のQOLの低下や早期退職, 社会支援の必要性が増えるだけでなく死亡率も上昇させる. 年齢や脳血管障害の既往, 末梢血管障害などが心臓手術後のPOCDのリスクファクターとして挙げられ, 術前にハイリスク患者を予測し周術期管理を行うことが重要となる. 高齢化社会を迎え, 加齢性硬化による大動脈弁狭窄症(aort...
Saved in:
Published in | Neurosonology Vol. 27; no. 2-3; pp. 71 - 75 |
---|---|
Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本脳神経超音波学会
31.12.2014
日本脳神経超音波学会 |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 「諸言」 心臓手術の周術期死亡率は近年の手術手技や麻酔技術の向上により著しく低下しているが, 術後脳障害なかでも高次脳機能障害(postoperative cognitive dysfunction: POCD)はいまだ30-65%と高率である. POCDは重大な術後合併症の一つで, 退院後のQOLの低下や早期退職, 社会支援の必要性が増えるだけでなく死亡率も上昇させる. 年齢や脳血管障害の既往, 末梢血管障害などが心臓手術後のPOCDのリスクファクターとして挙げられ, 術前にハイリスク患者を予測し周術期管理を行うことが重要となる. 高齢化社会を迎え, 加齢性硬化による大動脈弁狭窄症(aortic stenosis: AS)が増加しており, 大動脈弁置換術(aortic valve replacement: AVR)後のPOCDも高率で, 加齢や全身の動脈硬化が関与している可能性がある. |
---|---|
ISSN: | 0917-074X |
DOI: | 10.2301/neurosonology.27.71 |