致死的外傷性腹腔内出血に対するDCR with DCS
腹部臓器損傷に対するわれわれの戦略は以下のごとくである。①3項目のDamage Control Score(以下,DC score)から蘇生の要否を迅速に評価。②循環が安定し,造影CTが撮影可能であった症例には,TAEを考慮。③循環不安定症例や腹膜刺激症状を伴う症例には開腹手術優先,術後TAEを考慮。2011年10月からの3年間に開腹手術を行った腹部外傷症例を,戦略決定,止血戦術の選択について後方視的に検討した。スコアとDamage Control Surgery(以下,DCS)施行率には相関がみられ,DCS群はnon─DCS群と比較して生理学的,解剖学的に重症群であり,適切な症例選択がなされ...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 36; no. 6; pp. 1037 - 1042 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2016
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.36.1037 |
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Summary: | 腹部臓器損傷に対するわれわれの戦略は以下のごとくである。①3項目のDamage Control Score(以下,DC score)から蘇生の要否を迅速に評価。②循環が安定し,造影CTが撮影可能であった症例には,TAEを考慮。③循環不安定症例や腹膜刺激症状を伴う症例には開腹手術優先,術後TAEを考慮。2011年10月からの3年間に開腹手術を行った腹部外傷症例を,戦略決定,止血戦術の選択について後方視的に検討した。スコアとDamage Control Surgery(以下,DCS)施行率には相関がみられ,DCS群はnon─DCS群と比較して生理学的,解剖学的に重症群であり,適切な症例選択がなされていた。Damage Control Resuscitation(以下,DCR) with DCSとした症例のうち初療室開腹群は手術室開腹群と比べて緊急度が高く,われわれのDCR戦略,止血戦略は遵守されていた。切迫心停止4例を含む8例の予測生存率50%未満の生存例を得ることができたが,戦略,戦術の選択,その成績には何らかの評価指標を定めていく必要がある。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.36.1037 |