Open abdomenに対する早期閉創・閉腹における両側腹直筋鞘前葉反転法の有用性
Damage control surgeryやabdominal compartment syndromeに対するopen abdomenでは, 早期に定型的閉腹が不可能な場合, 腹腔内容を植皮にて被覆し, 意図的に腹壁ヘルニアを作成するのが一般的である。Enterocutaneous fistulaのリスクは低いものではなく, 症例によっては複雑な腹壁再建を要する。種々の腹壁再建法が報告されているが, 急性期における再建法適用の報告はない。両側腹直筋鞘前葉反転法 : (1) 両側腹直筋鞘上にて皮下をundermineし前葉を露出後に, 腹直筋鞘外縁を創全長にわたり切開する。 (2) 前葉を腹...
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Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 27 - 35 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2007
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Subjects | |
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Summary: | Damage control surgeryやabdominal compartment syndromeに対するopen abdomenでは, 早期に定型的閉腹が不可能な場合, 腹腔内容を植皮にて被覆し, 意図的に腹壁ヘルニアを作成するのが一般的である。Enterocutaneous fistulaのリスクは低いものではなく, 症例によっては複雑な腹壁再建を要する。種々の腹壁再建法が報告されているが, 急性期における再建法適用の報告はない。両側腹直筋鞘前葉反転法 : (1) 両側腹直筋鞘上にて皮下をundermineし前葉を露出後に, 腹直筋鞘外縁を創全長にわたり切開する。 (2) 前葉を腹直筋から剥離, 白線をhingeとして筋膜を反転し, 両側のflapを作成する。 (3) 反転した筋膜, さらに皮膚を縫合する。定型的閉腹不能な急性期11症例に対して本法を施行した。4例に創感染, 7例にmidabdominal bulgingを認めたが, 最長70ヵ月フォローアップでenterocutaneous fistula, ヘルニアの合併はない。定型的閉腹不能なopen abdomenに対して, 本法は急性期腹壁再建を可能とする手段となろう。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.27.27 |