国立病院機構の施設概況と感染制御対策に対する職員の満足度調査

国立病院機構143の医療施設を対象に施設概況および感染制御対策(以下,感染対策)に対する職員の満足度についてアンケート調査を行った.感染防止対策加算の届出状況は,回答があった109施設のうち,加算1の施設(以下,加算1群)は66施設(62.9%),加算2の施設(以下,加算2群)は33施設(31.4%)および届出の施設(以下,届出群)は10施設(9.5%)であった.加算1群では一般病床数が多く,加算2および届出群では少ない傾向が認められた.平均在院日数は加算1群が有意に短く(p=0.01),届出群では長期入院の傾向が認められた.医師および看護師の職員数は,加算1群が最も多かった.また,加算1群で...

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Published in日本環境感染学会誌 Vol. 29; no. 6; pp. 444 - 452
Main Authors 吉田, 真由美, 井上, 大奨, 河野, 文夫, 平木, 洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本環境感染学会 2014
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ISSN1882-532X
1883-2407
DOI10.4058/jsei.29.444

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Summary:国立病院機構143の医療施設を対象に施設概況および感染制御対策(以下,感染対策)に対する職員の満足度についてアンケート調査を行った.感染防止対策加算の届出状況は,回答があった109施設のうち,加算1の施設(以下,加算1群)は66施設(62.9%),加算2の施設(以下,加算2群)は33施設(31.4%)および届出の施設(以下,届出群)は10施設(9.5%)であった.加算1群では一般病床数が多く,加算2および届出群では少ない傾向が認められた.平均在院日数は加算1群が有意に短く(p=0.01),届出群では長期入院の傾向が認められた.医師および看護師の職員数は,加算1群が最も多かった.また,加算1群では「満足」,届出群では「不満足」と回答した職員の割合が有意に多かった(p=0.01).優先的に改善すべき項目を示す指標値(以下,改善度)を検討した結果,届出群では「抗菌薬の適正使用」の改善度が11.0と最も高く,「抗菌薬の適正使用」の推進は急務であると思われた.届出群では,専従でinfection control teamへ人材を配置することが難しい環境であるため,「感染対策の周知徹底」の改善度が高値(10.2)を示したと考えられる.施設概況や職員の満足度を調査することで,感染対策の評価や改善点の抽出が可能となると示唆する.
ISSN:1882-532X
1883-2407
DOI:10.4058/jsei.29.444