腹部CTにより診断可能と考えられたpress-through package誤飲による回腸穿孔の1例

86歳女性。嘔気,下痢を主訴に近医受診。補液にて軽快するも7日後腹痛出現し当院受診。腹部触診にて下腹部に筋性防御を伴う圧痛を認めた。腹部CTでは腹水と消化管の拡張およびfluid貯留を認めた。急性腹症の診断で緊急手術を施行した。術中所見では Bauhin弁より約50cm口側の回腸腸間膜側に3mm大の穿孔部と,同部位より錠剤のpress-through package(以下,PTP)が確認され,PTP誤飲による回腸穿孔と診断し PTP摘出後穿孔部を縫合閉鎖した。術後,画像を再検討した結果,腹部単純CTでPTPと思われる高濃度陰影が描出されていた。今回われわれは術前CT所見を注意深く読影することで...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 28; no. 1; pp. 85 - 88
Main Authors 二本柳, 康博, 大城, 充, 長島, 誠, 森山, 彩子, 瓜田, 祐, 吉田, 豊, 田中, 宏, 杉下, 雄為, 小出, 一樹, 若林, 已代次, 朴, 英進, 加藤, 良二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2008
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Summary:86歳女性。嘔気,下痢を主訴に近医受診。補液にて軽快するも7日後腹痛出現し当院受診。腹部触診にて下腹部に筋性防御を伴う圧痛を認めた。腹部CTでは腹水と消化管の拡張およびfluid貯留を認めた。急性腹症の診断で緊急手術を施行した。術中所見では Bauhin弁より約50cm口側の回腸腸間膜側に3mm大の穿孔部と,同部位より錠剤のpress-through package(以下,PTP)が確認され,PTP誤飲による回腸穿孔と診断し PTP摘出後穿孔部を縫合閉鎖した。術後,画像を再検討した結果,腹部単純CTでPTPと思われる高濃度陰影が描出されていた。今回われわれは術前CT所見を注意深く読影することで診断可能であったと考えられた PTPによる高齢者回腸穿孔の1例を経験したので報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.28.85