フルマラソンレースにおけるCardiovascular drift とパフォーマンスとの関係

「I 緒言」 フルマラソンは, 2時間を超える長時間を最大心拍数(Maximal heart rate, 以下「HRmax」と略す)の80-90%程度の強度で運動し続ける競技であり(Billat et al., 2009), レース後に内臓機能障害や筋損傷といった諸症状を誘発することから, 身体への負荷が非常に高いと言われている(Sanchez et al., 2006). そのような過酷な競技であるにもかかわらず, フルマラソンの競技人口は国内外を問わず増え続けており, 世界で最も認知されているスポーツの1つである. 競技レベル(完走時間)に関わらず, フルマラソンにおいて高いパフォーマンス...

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Published in体育学研究 Vol. 64; no. 1; pp. 237 - 247
Main Authors 鍋倉, 賢治, 丹治, 史弥, 嶋津, 航, 髙山, 史徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本体育学会 17.06.2019
日本体育学会
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ISSN0484-6710
1881-7718
DOI10.5432/jjpehss.18089

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Summary:「I 緒言」 フルマラソンは, 2時間を超える長時間を最大心拍数(Maximal heart rate, 以下「HRmax」と略す)の80-90%程度の強度で運動し続ける競技であり(Billat et al., 2009), レース後に内臓機能障害や筋損傷といった諸症状を誘発することから, 身体への負荷が非常に高いと言われている(Sanchez et al., 2006). そのような過酷な競技であるにもかかわらず, フルマラソンの競技人口は国内外を問わず増え続けており, 世界で最も認知されているスポーツの1つである. 競技レベル(完走時間)に関わらず, フルマラソンにおいて高いパフォーマンスを発揮するためには, スタートからフィニッシュまで走速度(ペース)を維持して走行する「イーブン型」のペース戦略が最適であるということは, これまでの研究において一致した見解である(Abbiss and Laursen, 2008; Renfree and St Clair Gibson, 2013; Tucker and Noakes, 2009).
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.18089