三阪論文に対するEditorial Comment
遅発ステント血栓症(late stent thrombosis;LST)は, ステント留置後で特に薬剤溶出性ステント(drug eluting stent;DES)に生じる遠隔期合併症として知られている. 原因として, ステント内再内皮化遅延, 血管内皮機能障害, 残存薬剤, ポリマーによる血栓性亢進や過敏性反応などさまざまな因子の関与があげられる1). そのほかの要因としてステント留置後のステントストラット圧着不良(incomplete stent apposition;ISA)が知られており, bare metal stentよりDESに多く生じる傾向が報告2)されている. ステント留置後...
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Published in | Shinzo Vol. 42; no. 8; p. 1066 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2010
日本心臓財団 Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.42.1066 |
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Summary: | 遅発ステント血栓症(late stent thrombosis;LST)は, ステント留置後で特に薬剤溶出性ステント(drug eluting stent;DES)に生じる遠隔期合併症として知られている. 原因として, ステント内再内皮化遅延, 血管内皮機能障害, 残存薬剤, ポリマーによる血栓性亢進や過敏性反応などさまざまな因子の関与があげられる1). そのほかの要因としてステント留置後のステントストラット圧着不良(incomplete stent apposition;ISA)が知られており, bare metal stentよりDESに多く生じる傾向が報告2)されている. ステント留置後の病変部を評価する際, 再治療の必要性を認めない場合は, 通常intravascular ultrasoundを施行しない. 本論文のように, イベント後の情報をもとに画像を見直すことで評価可能な場合もあるが, 冠動脈造影によるlate acquired ISAの診断は容易ではない. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.42.1066 |