感染症流行時の自宅隔離者に対し地域住民による支援は期待できる

「要旨」【目的】災害時は公的な支援が不足するため, 地域住民の支援が必要となる. 感染症は支援者自身も感染の恐れがある点が他の災害とは異なる. そのため, 感染症流行時の支援意思も他の災害とは異なるかもしれないが明らかでない. 本研究では感染症流行時における地域住民の支援意思の実態を明らかにすることを目的とした. 【方法】横断研究として2022年3月にインターネット調査を行い, 全国の20歳から84歳の2600人から回答を得た. 調査項目は今後の感染症流行時の支援意思について尋ね, 支援の依頼者と支援内容の情報を得た. 解析は記述統計とカイ二乗検定を行った. 【結果】68%の回答者が何らかの支...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 2; pp. 118 - 123
Main Authors 森下佳穂, 高杉友, 柴田陽介, 尾島俊之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本災害医学会 20.07.2024
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Summary:「要旨」【目的】災害時は公的な支援が不足するため, 地域住民の支援が必要となる. 感染症は支援者自身も感染の恐れがある点が他の災害とは異なる. そのため, 感染症流行時の支援意思も他の災害とは異なるかもしれないが明らかでない. 本研究では感染症流行時における地域住民の支援意思の実態を明らかにすることを目的とした. 【方法】横断研究として2022年3月にインターネット調査を行い, 全国の20歳から84歳の2600人から回答を得た. 調査項目は今後の感染症流行時の支援意思について尋ね, 支援の依頼者と支援内容の情報を得た. 解析は記述統計とカイ二乗検定を行った. 【結果】68%の回答者が何らかの支援意思をもっており, 最も多い支援の依頼者と支援内容は「親戚知人として電話でフォローアップする」の46%であった. 【結論】約7割の人が感染症流行時の支援意思をもっていることが明らかとなった. 本研究の知見は, 今後感染症が流行した際に自宅療養者への公助が不足した際, 地域住民の支援を呼びかけるうえで役立つと考えられる.
ISSN:2189-4035
DOI:10.51028/jjdisatmed.29.2_118