特徴的なCT所見と考えられた子宮留膿腫穿孔の2例

症例1は79歳,女性。下腹部痛を認め,当センターに搬送された。腹部CT検査で腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像を認めたため,子宮留膿腫穿孔と診断し,単純子宮全摘術,両側付属器摘出術を施行した。症例2は73歳,女性。人工骨頭置換術のために他院入院中,突然の右下腹部痛を認め,敗血症性ショックとなった。当センター転院後の腹部CT検査で腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像に加え,子宮壁の途絶から本疾患と診断し,単純子宮全摘術,両側付属器摘出術を施行した。2症例とも汎発性腹膜炎を呈し,腹腔内遊離ガスを認めたことから,まず消化管穿孔を疑った。しかし,腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像や子宮壁の途絶とい...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 5; pp. 649 - 652
Main Authors 星野, 耕大, 入江, 悠平, 乗富, 智明, 山本, 希治, 島岡, 秀樹, 石倉, 宏恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.35.649

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Summary:症例1は79歳,女性。下腹部痛を認め,当センターに搬送された。腹部CT検査で腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像を認めたため,子宮留膿腫穿孔と診断し,単純子宮全摘術,両側付属器摘出術を施行した。症例2は73歳,女性。人工骨頭置換術のために他院入院中,突然の右下腹部痛を認め,敗血症性ショックとなった。当センター転院後の腹部CT検査で腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像に加え,子宮壁の途絶から本疾患と診断し,単純子宮全摘術,両側付属器摘出術を施行した。2症例とも汎発性腹膜炎を呈し,腹腔内遊離ガスを認めたことから,まず消化管穿孔を疑った。しかし,腹腔内遊離ガスを伴う子宮腔内のガス像や子宮壁の途絶といった本疾患に特徴的と考えられたCT所見を認め,術前診断が可能であった。高齢女性の汎発性腹膜炎に遭遇し,これらのCT所見を認めた場合は,術前に本疾患を診断することが可能である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.649