初等的で実践的なME教育の段階的取り組みニーズとシーズの問題点

[はじめに]我々はME研究をより実践的な局面から行ってきた。同時に病院と大学や企業の距離を縮める努力もしてきた。しかし日本の大学に本格的ME教育の場が広く根付いていないのは、まだまだかと忸怩たる思いである。一方で新しい取り組みを行っておりそれを紹介する。[目的]初等的ME教育を医療スタッフや、大学入学前の高校生や中学生に実践的教育を試みている。そこからME専攻学科創設に際し、ニーズ側とシーズ側の問題点を検討する。[結果]大阪大学医学部、大阪電気通信大学を中心に、初等的ME教育として心電図読解や超音波画像解析とそれに関する医学と工学的学習の実践からニーズ側の学生の参加した評判は良好である。さらに...

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Published in生体医工学 Vol. 55Annual; no. 4AM-Abstract; p. 262
Main Authors 長倉, 俊明, 木戸, 倫子, 山田, 憲嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
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Summary:[はじめに]我々はME研究をより実践的な局面から行ってきた。同時に病院と大学や企業の距離を縮める努力もしてきた。しかし日本の大学に本格的ME教育の場が広く根付いていないのは、まだまだかと忸怩たる思いである。一方で新しい取り組みを行っておりそれを紹介する。[目的]初等的ME教育を医療スタッフや、大学入学前の高校生や中学生に実践的教育を試みている。そこからME専攻学科創設に際し、ニーズ側とシーズ側の問題点を検討する。[結果]大阪大学医学部、大阪電気通信大学を中心に、初等的ME教育として心電図読解や超音波画像解析とそれに関する医学と工学的学習の実践からニーズ側の学生の参加した評判は良好である。さらに受講生が就職後に周囲とのクオリティ差を感じている。しかし、シーズ側とニーズ側も現場が評価しないことが大きな問題点である。さらに名古屋大学工学部大学院、東京工業大学大学院で医療機器の講義も行ったが、学生の関心はとても大きなものがある。しかし、将来に不安なようである。しかし、留学生は気にならず翌年の講義でME分野へ進むことを報告してくれたこともあった。[まとめ]ME教育の実践を通じてME専攻学科創設は、工学系の学生には相当数のニーズがある。そのためにはルートとゴールを示すことと、評価システムも必要である。これらの経験がME専攻学科創設の参考になればと思う。また最後に我々の取り組みへの意見も賜ればと考えている。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.262