H. pylori陰性胃MALTリンパ腫に合併した胆嚢MALTリンパ腫の1例
症例は69歳の男性,1年前に食欲不振で当院を受診し,上部内視鏡検査で胃病変とCT画像所見で胆嚢腫瘤性病変が疑われたが,精査を希望せず経過観察となった.1年後に右上腹部痛と食欲不振で再び当院内科へ受診,CT画像所見で胆嚢炎を伴う胆嚢腫瘍が疑われ,精査加療目的で外科紹介となった.CTでは胆嚢体部に37×25mmの造影効果を伴う腫瘤を認めた.腫瘍は1年前の画像所見の比較からslow growthであり,明らかな肝浸潤やリンパ節転移を疑う所見も認められなかった.FDG-PET検査では同部位にSUVmax11の異常集積を認め,胆嚢癌と診断.手術は術中組織診断を参考として,胆管切除を伴わない胆嚢・胆嚢床切...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 12; pp. 2513 - 2518 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2020
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Subjects | |
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Summary: | 症例は69歳の男性,1年前に食欲不振で当院を受診し,上部内視鏡検査で胃病変とCT画像所見で胆嚢腫瘤性病変が疑われたが,精査を希望せず経過観察となった.1年後に右上腹部痛と食欲不振で再び当院内科へ受診,CT画像所見で胆嚢炎を伴う胆嚢腫瘍が疑われ,精査加療目的で外科紹介となった.CTでは胆嚢体部に37×25mmの造影効果を伴う腫瘤を認めた.腫瘍は1年前の画像所見の比較からslow growthであり,明らかな肝浸潤やリンパ節転移を疑う所見も認められなかった.FDG-PET検査では同部位にSUVmax11の異常集積を認め,胆嚢癌と診断.手術は術中組織診断を参考として,胆管切除を伴わない胆嚢・胆嚢床切除,リンパ節郭清術を施行した.病理所見では粘膜面から漿膜下に深達する胆嚢MALTリンパ腫と診断された.また,術後の胃内視鏡検査でH. pylori陰性の胃MALTリンパ腫の合併も認められたが,それぞれ独立した原発病変と診断された.胆嚢原発のMALTリンパ腫は極めて稀で術前診断は困難であった. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.81.2513 |