機械学習を用いた白血球画像の自動分類精度向上のための検討

血液検査において白血球分画の比率を調べることは, 病気を検診・診断する判断材料として非常に重要な意味を持つ。この検査は専門家による目視で行われており,多大な労力と時間が必要となることから,血中細胞画像を,コンピュータを用いた1 対1 方式Support Vector Machineにより,13 分画の血中細胞に分類する手法が提案されている。しかし,この手法では,色・形態ともに差の少ない白血球分画の精度が低いといった課題が挙げられる。本研究では,この白血球分画のうち分類精度の低い前骨髄球,骨髄球,後骨髄球,好塩基球,好酸球の分類精度の向上を目的とする。まず初めに,特徴量の算出に用いる細胞全体の領...

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Published in生体医工学 Vol. 55Annual; no. 5AM-Abstract; p. 392
Main Authors 富山, 眞之介, 坂田(柳元), 麻美子, 千葉, 滋, 相川, 直幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
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Summary:血液検査において白血球分画の比率を調べることは, 病気を検診・診断する判断材料として非常に重要な意味を持つ。この検査は専門家による目視で行われており,多大な労力と時間が必要となることから,血中細胞画像を,コンピュータを用いた1 対1 方式Support Vector Machineにより,13 分画の血中細胞に分類する手法が提案されている。しかし,この手法では,色・形態ともに差の少ない白血球分画の精度が低いといった課題が挙げられる。本研究では,この白血球分画のうち分類精度の低い前骨髄球,骨髄球,後骨髄球,好塩基球,好酸球の分類精度の向上を目的とする。まず初めに,特徴量の算出に用いる細胞全体の領域,核領域,細胞質領域,顆粒領域の抽出を行う。それぞれの領域は,画像の背景と各領域の色の差分を利用して閾値処理することで抽出できる。次に,抽出した細胞領域から,28 次元の特徴量を算出する,特徴量は。従来法で用いられた,18 次元の色に基づく特徴量と8次元の形態に基づく特徴量の計26次元の特徴量にと,分類精度向上の為に加えた,(1) 細胞内の顆粒の大きさ分布度合,(2) 細胞内の核位置の偏り度合,を加えた計28 次元で構成される。これらの特徴量機械学習アルゴリズムを用いた分類器に入力することで,入力画像の分類クラスが出力される。本研究で加えた特徴量が分類に有効か評価する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.392