3次元超音波検査法を用いた頚動脈プラークに対するフルバスタチンの治療評価

「はじめに」頸動脈超音波検査法による頸動脈プラークの評価は, 急性期脳梗塞治療や脳梗塞予防に, 簡便で非侵襲的な検査法である. 現在, 頸動脈超音波検査は動脈硬化のスクリーニングと治療効果の評価という2つの重要な役割を担っており, その判定は1次元または2次元的なパラメーターにより行われている. しかし, 実際の頸動脈プラークは複雑な形態の立体構造物であるため, 1次元・2次元的な評価のみでは形態的評価としては十分とはいえない. 近年, 3次元超音波検査法を応用し立体的に頸動脈プラークを評価できる可能性が報告され, その臨床的有用性が注目されている1,13,14). 血清脂質降下療法が動脈硬化...

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Published inNeurosonology Vol. 22; no. 2-3; pp. 74 - 78
Main Authors 鳴海, 新介, 寺山, 靖夫, 大浦, 一雅, 森, 潔史, 石塚, 直樹, 金, 正門, 水野, 昌宣, 大庭, 英樹, 桂, 永行, 米澤, 可奈子, 小野, あゆみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2009
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.22.74

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Summary:「はじめに」頸動脈超音波検査法による頸動脈プラークの評価は, 急性期脳梗塞治療や脳梗塞予防に, 簡便で非侵襲的な検査法である. 現在, 頸動脈超音波検査は動脈硬化のスクリーニングと治療効果の評価という2つの重要な役割を担っており, その判定は1次元または2次元的なパラメーターにより行われている. しかし, 実際の頸動脈プラークは複雑な形態の立体構造物であるため, 1次元・2次元的な評価のみでは形態的評価としては十分とはいえない. 近年, 3次元超音波検査法を応用し立体的に頸動脈プラークを評価できる可能性が報告され, その臨床的有用性が注目されている1,13,14). 血清脂質降下療法が動脈硬化性の血管イベントの発生を抑制することが多くの報告から示されている3,4,8,15). HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)は血清LDLコレステロール(LDL-C)を減少させ, 動脈硬化の進展を抑制すると考えられており, 従来の2次元的頸動脈超音波検査法による内中膜複合体厚(intima-media thickness:IMT)の測定でも, スタチンの動脈硬化進展抑制効果が示されている2,6,7,10,16).
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.22.74