腸重積を契機に発見された小腸Inflammatory myofibroblastic tumorの1例

症例は77歳の男性で,イレウス症状で他院に入院中に小腸腫瘍に起因する腸重積が疑われ,当院に紹介となった。初診時,腹部CT検査で空腸に造影効果のある腫瘍がみられ,同部を先進部とする腸重積を呈していた。消化管造影検査で空腸に5cmの境界明瞭な球状の陰影欠損を認め,小腸内視鏡検査では頂部にDelleを伴う粘膜下腫瘍を認めた。入院中にイレウス症状の改善と再燃を繰り返したため手術を行った。小腸は腫瘍部で重積しており,用手整復後,小腸部分切除術を行った。切除標本は3.5×2.5cmの有茎性病変で,病理組織学検査では粘膜下に筋線維芽細胞を主体とする炎症細胞の浸潤を認めた。免疫組織染色では,Vimentinが...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 1; pp. 153 - 156
Main Authors 富永, 哲郎, 内藤, 慎二, 和田, 英雄, 岡, 忠之, 柴﨑, 信一, 黨, 和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.35.153

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Summary:症例は77歳の男性で,イレウス症状で他院に入院中に小腸腫瘍に起因する腸重積が疑われ,当院に紹介となった。初診時,腹部CT検査で空腸に造影効果のある腫瘍がみられ,同部を先進部とする腸重積を呈していた。消化管造影検査で空腸に5cmの境界明瞭な球状の陰影欠損を認め,小腸内視鏡検査では頂部にDelleを伴う粘膜下腫瘍を認めた。入院中にイレウス症状の改善と再燃を繰り返したため手術を行った。小腸は腫瘍部で重積しており,用手整復後,小腸部分切除術を行った。切除標本は3.5×2.5cmの有茎性病変で,病理組織学検査では粘膜下に筋線維芽細胞を主体とする炎症細胞の浸潤を認めた。免疫組織染色では,Vimentinが陽性で,SMA,CD34,desmin,S-100 Proteinは陰性であり,診断はInflammatory myofibroblastic tumorであった。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.153