生体インピーダンス法を用いた電解質計測の研究

【はじめに】電解質異常の診断は血液検査であるが連続的に測定することができない。そこで連続測定が可能な生体インピーダンス法を検討した。【目的】生体インピーダンス法で非侵襲的かつ連続的に複数の電解質濃度が測定可能性を検討する。【実験】 NaCl溶液とKCl溶液を複数濃度で周波数特性等を計測すると濃度の上昇とともに、インピーダンスは低下する。また、どの濃度でもNaCl溶液、KCl溶液共に周波数の低域から中域では下降し高周波では上昇する結果が得られた。さらにNaCl溶液とKCl溶液を比較すると、中域まではKCl溶液が低く、高域ではKCl溶液が高く逆転することを確認した。【考察】周波数の低域から中域まで...

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Published in生体医工学 Vol. 55Annual; no. 5AM-Abstract; p. 398
Main Authors 坂本, 翔大, 松下, 和生, 平川, 侃, 渡辺, 晃也, 木戸, 倫子, 石井, 豊恵, 長倉, 俊明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
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Summary:【はじめに】電解質異常の診断は血液検査であるが連続的に測定することができない。そこで連続測定が可能な生体インピーダンス法を検討した。【目的】生体インピーダンス法で非侵襲的かつ連続的に複数の電解質濃度が測定可能性を検討する。【実験】 NaCl溶液とKCl溶液を複数濃度で周波数特性等を計測すると濃度の上昇とともに、インピーダンスは低下する。また、どの濃度でもNaCl溶液、KCl溶液共に周波数の低域から中域では下降し高周波では上昇する結果が得られた。さらにNaCl溶液とKCl溶液を比較すると、中域まではKCl溶液が低く、高域ではKCl溶液が高く逆転することを確認した。【考察】周波数の低域から中域までは熱や拡散よりもクーロン力が優勢であるために周波数上昇と共にインピーダンスが低下し、Naイオンは水分子の配向により高域に達すると交流電界に追従できなくなるため、キャリアとしての働きが小さくなりインピーダンスが上昇したのではないかと考えられる。【まとめ】NaCl溶液、KCl溶液の2つの溶液を用いて周波数上昇によりインピーダンスが小さくなることが分かった。さらに濃度とインピーダンスの関係も分かった。またNaClとKCl溶液では周波数高域でインピーダンス値が逆転する現象がありNaとKイオンの含まれる水溶液を区別できる可能性が示唆された。これらの結果から多数のイオン濃度においてインピーダンス計測から電解質濃度を計測できるのではないかと考えた。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.398