転倒予防を目的とした小学校体育授業に関する研究 動的バランス運動介入の効果

【目的】転倒は子どもたちにとっても重大な問題の一つとなっている。そのため,転倒予防を目的とした運動を学校体育の授業で指導し,その効果を検証することは必要であると考える。そこで本研究は,児童の転倒予防を主眼として,体育授業において動的バランス運動を実施し,その効果を明らかにすることを目的とした。【方法】小学3年生の児童34名を対象にした。考案した身体が揺さぶられる4つの「ぐらぐら運動」を体育授業で全3回(45分/回)指導し,その指導前後で,開眼片足立ち・立ち幅跳び・反復横とびの測定を行った。加えて,形成的授業評価等を実施した。【結果】授業実施前後において,立ち幅跳びと反復横とびにおいて有意な差が...

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Published in日本転倒予防学会誌 Vol. 7; no. 1; pp. 53 - 63
Main Authors 長谷川, 聖修, 檜皮, 貴子, 菅原, 知昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本転倒予防学会 10.06.2020
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ISSN2188-5702
2188-5710
DOI10.11335/tentouyobou.7.1_53

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Summary:【目的】転倒は子どもたちにとっても重大な問題の一つとなっている。そのため,転倒予防を目的とした運動を学校体育の授業で指導し,その効果を検証することは必要であると考える。そこで本研究は,児童の転倒予防を主眼として,体育授業において動的バランス運動を実施し,その効果を明らかにすることを目的とした。【方法】小学3年生の児童34名を対象にした。考案した身体が揺さぶられる4つの「ぐらぐら運動」を体育授業で全3回(45分/回)指導し,その指導前後で,開眼片足立ち・立ち幅跳び・反復横とびの測定を行った。加えて,形成的授業評価等を実施した。【結果】授業実施前後において,立ち幅跳びと反復横とびにおいて有意な差が示され,運動後に値が向上した。加えて,形成的授業評価では,全3回の体育授業において,全ての項目で評定3以上が得られ,児童にとってよい授業であったことがわかった。特に,「学び方」では全3回において評定5で推移した。【結論】児童の転倒予防目的で考案・指導したぐらぐら運動を3回実施したことで, 立ち幅跳びと反復横とびの値が向上した。さらに,児童らの授業評価が高い値で推移し,ぐらぐら運動を実施した授業は,児童らが自ら進んで楽しく学ぶことができる体育の内容であることが示された。
ISSN:2188-5702
2188-5710
DOI:10.11335/tentouyobou.7.1_53