経頭蓋カラードプラ法の脳動脈瘤破裂後脳血管攣縮評価における有用性

「はじめに」破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血後の遅発性脳血管攣縮は, いまだ予後に大きく影響する因子のひとつ11)であり, 臨床においては, 症候性とならないように早急に対応するため症例ごとの的確な診断が必要である. 経頭蓋ドプラ(TCD)は非侵襲的検査法として多用されてきたものの, 中大脳動脈分岐部より末梢の血管攣縮を見つけることは困難とされている10,12). ―方, 経頭蓋カラードプラ法(TCCFI)は血管の解剖学的位置関係が把握でき, より末梢の血流速度を測定しうるとされるが4,8), 破裂脳動脈瘤の術後経過についての報告はまだ少ない. 今回, 破裂脳動脈瘤頚部クリッピング術急性期施行例...

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Published inNeurosonology Vol. 20; no. 1; pp. 16 - 20
Main Authors 川口, 正一郎, 田村, 健太郎, 上野, 聡, 斉藤, こずえ, 榊, 寿右, 竹島, 靖浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本脳神経超音波学会 2007
日本脳神経超音波学会
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ISSN0917-074X
DOI10.2301/neurosonology.20.16

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Summary:「はじめに」破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血後の遅発性脳血管攣縮は, いまだ予後に大きく影響する因子のひとつ11)であり, 臨床においては, 症候性とならないように早急に対応するため症例ごとの的確な診断が必要である. 経頭蓋ドプラ(TCD)は非侵襲的検査法として多用されてきたものの, 中大脳動脈分岐部より末梢の血管攣縮を見つけることは困難とされている10,12). ―方, 経頭蓋カラードプラ法(TCCFI)は血管の解剖学的位置関係が把握でき, より末梢の血流速度を測定しうるとされるが4,8), 破裂脳動脈瘤の術後経過についての報告はまだ少ない. 今回, 破裂脳動脈瘤頚部クリッピング術急性期施行例で, TCCFIを用いて患側中大脳動脈水平部(M1), 島部(M2), 前大脳動脈水平部(A1)の血流速度を経時的に観察し, その有用性について検討したので報告する. 「対象・方法」著者らの施設では, 2004年12月より破裂脳動脈瘤によるくも膜下出血に対してクリッピング術施行後TCCFIにより脳血管攣縮の評価を行っている.
ISSN:0917-074X
DOI:10.2301/neurosonology.20.16