肝炎型原発性胆汁性胆管炎に対するウルソデオキシコール酸およびプレドニゾロンの治療効果に関する検討
当院で2006年4月から2018年6月の間に肝生検で原発性胆汁性胆管炎(PBC)と診断し,国際自己免疫性肝炎(AIH)グループの簡易版診断基準によりAIHの診断基準を満たした肝炎型PBC 20症例を後ろ向きに解析した.ウルソデオキシコール酸(UDCA),プレドニゾロン(PSL)の治療効果および効果予測因子について検討したところ,UDCA(単剤又はベザフィブラートとの併用)で初期治療を行った20例中12例(60%)で奏効が得られ,治療前のAST,ALT,ALP,IgG高値がUDCA不応の有意な予測因子であった.UDCA不応であった8例中7例にPSLが投与され,全例で治療効果が得られた.PSL減量...
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Published in | 肝臓 Vol. 61; no. 11; pp. 543 - 551 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
01.11.2020
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.61.543 |
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Summary: | 当院で2006年4月から2018年6月の間に肝生検で原発性胆汁性胆管炎(PBC)と診断し,国際自己免疫性肝炎(AIH)グループの簡易版診断基準によりAIHの診断基準を満たした肝炎型PBC 20症例を後ろ向きに解析した.ウルソデオキシコール酸(UDCA),プレドニゾロン(PSL)の治療効果および効果予測因子について検討したところ,UDCA(単剤又はベザフィブラートとの併用)で初期治療を行った20例中12例(60%)で奏効が得られ,治療前のAST,ALT,ALP,IgG高値がUDCA不応の有意な予測因子であった.UDCA不応であった8例中7例にPSLが投与され,全例で治療効果が得られた.PSL減量に伴う再燃はみられなかった.肝炎型PBCでは半数以上でUDCAが奏効したが,不応例ではPSL投与が有効であった.PSLが必要とされる症例の特徴を示唆する知見も得られ,今後の検証が望まれる. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.61.543 |