食道穿孔症例に対する外科治療の現状と治療成績

当院で外科的治療を施行した食道穿孔症例11例について検討した。食道穿孔の成因は良性8例(医原性5例,特発性2例,外傷性1例),悪性3例であった。治療について,良性例では,単純閉鎖5例,単純閉鎖と大網被覆1例,食道部分切除1例,胸腔鏡下ドレナージ1例であった。悪性例では,開胸ドレナージ後に食道ステント挿入1例,胸腔ドレナージ後に食道切除再建術施行1例,保存的治療後に食道バイパス術施行1例であった。術後合併症は,縫合不全2例,膿胸1例,創感染1例で,死亡例は認めなかった。食道穿孔は成因,病態が多彩であり,それぞれに応じた適切な治療方針の選択が重要である。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 055 - 060
Main Authors 定永, 倫明, 宮崎, 雄幸, 山村, 謙介, 松浦, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
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Summary:当院で外科的治療を施行した食道穿孔症例11例について検討した。食道穿孔の成因は良性8例(医原性5例,特発性2例,外傷性1例),悪性3例であった。治療について,良性例では,単純閉鎖5例,単純閉鎖と大網被覆1例,食道部分切除1例,胸腔鏡下ドレナージ1例であった。悪性例では,開胸ドレナージ後に食道ステント挿入1例,胸腔ドレナージ後に食道切除再建術施行1例,保存的治療後に食道バイパス術施行1例であった。術後合併症は,縫合不全2例,膿胸1例,創感染1例で,死亡例は認めなかった。食道穿孔は成因,病態が多彩であり,それぞれに応じた適切な治療方針の選択が重要である。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.055