グルコースを対象とした透明圧電フィルムの光音響検出器への応用

非侵襲な血糖値測定の実用的な手法は確立されておらず、精力的な研究が続けられている。光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)はその一つである。PA現象は、試料に単色の断続光を照射すると、光吸収に伴う音響波が発生する現象である。この音響波はPA信号と呼ばれ、圧電素子などで検出され、その強度から試料の濃度を推定できる。PA信号強度は、断続光の照射位置から指数関数的に減衰するので、検出器の中心付近に照射することが望ましい。しかし、一般のPZTなどセラミックス系の検出器では、物理的な寸法の制約から照射位置を検出器の中心とすることは困難である。そこで、PA信号の検出器...

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Published inTransactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 5AM-Abstract; p. 400
Main Author 和田森, 直
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.55Annual.400

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Summary:非侵襲な血糖値測定の実用的な手法は確立されておらず、精力的な研究が続けられている。光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)はその一つである。PA現象は、試料に単色の断続光を照射すると、光吸収に伴う音響波が発生する現象である。この音響波はPA信号と呼ばれ、圧電素子などで検出され、その強度から試料の濃度を推定できる。PA信号強度は、断続光の照射位置から指数関数的に減衰するので、検出器の中心付近に照射することが望ましい。しかし、一般のPZTなどセラミックス系の検出器では、物理的な寸法の制約から照射位置を検出器の中心とすることは困難である。そこで、PA信号の検出器に透明な圧電フィルムを用いることにより、断続光の照射位置の真下でPA信号の測定を可能にした検出器を開発した。その検出器を用いて、グルコース錠剤を対象としたPA信号の検出実験を行い、提案装置の評価を行った。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.400