鼠径部嵌頓ヘルニアに対する腹腔鏡下治療を含むメッシュ法の手術成績と今後の展望
当科では鼠径部嵌頓ヘルニアに対してtransabdominal preperitoneal approach法(TAPP法)を含めたメッシュ法を施行してきた。対象は2006年4月から2014年3月の8年間に経験した82例。①腸管非切除症例に対するTAPP法(13例)と鼠径部切開メッシュ法(36例)の比較,②穿孔のない腸管切除症例に対する腹腔鏡も含めたメッシュ法(12例)と鼠径部切開組織縫合法(8例)の比較,③汚染を伴う腸管切除症例に対する2期的TAPP法の経験の症例報告を行った。①ではTAPP法は有意に出血量が減少し(P<0.01),②では両群間に有意な差は認めず,いずれもTAPP法を含めたメ...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 36; no. 3; pp. 553 - 558 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2016
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.36.553 |
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Summary: | 当科では鼠径部嵌頓ヘルニアに対してtransabdominal preperitoneal approach法(TAPP法)を含めたメッシュ法を施行してきた。対象は2006年4月から2014年3月の8年間に経験した82例。①腸管非切除症例に対するTAPP法(13例)と鼠径部切開メッシュ法(36例)の比較,②穿孔のない腸管切除症例に対する腹腔鏡も含めたメッシュ法(12例)と鼠径部切開組織縫合法(8例)の比較,③汚染を伴う腸管切除症例に対する2期的TAPP法の経験の症例報告を行った。①ではTAPP法は有意に出血量が減少し(P<0.01),②では両群間に有意な差は認めず,いずれもTAPP法を含めたメッシュ法は施行可能であった。③において2期的TAPP法は有用と思われたが,今後症例の集積が必要である。症例の適切な選択によりTAPP法を含むメッシュ法は本症に対して有用な術式となると考えられた。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.36.553 |