虫垂嵌頓大腿ヘルニアの1例
ヘルニア内容が虫垂であるAmyand’s herniaは比較的まれな疾患である。今回,術前CTで大腿ヘルニア虫垂嵌頓と診断し,虫垂切除術およびDirect Kugel patch法によるヘルニア修復術を同時に行った症例を経験した。症例は75歳女性で,腹痛を主訴に来院した。CT検査で大腿ヘルニアに起因した腹痛でその内容が虫垂であることを診断し,緊急手術の方針とした。手術は虫垂切除術およびDirect Kugel patch法によるヘルニア根治術を行った。術後経過は良好で術後3病日に退院となった。近年CT検査の発達によりヘルニア嵌頓内容を正確に診断することが可能である。ヘルニア囊内に膿瘍を認める場...
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Published in | Nihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 1; pp. 171 - 175 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本腹部救急医学会
2015
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine |
Subjects | |
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ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
DOI | 10.11231/jaem.35.171 |
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Summary: | ヘルニア内容が虫垂であるAmyand’s herniaは比較的まれな疾患である。今回,術前CTで大腿ヘルニア虫垂嵌頓と診断し,虫垂切除術およびDirect Kugel patch法によるヘルニア修復術を同時に行った症例を経験した。症例は75歳女性で,腹痛を主訴に来院した。CT検査で大腿ヘルニアに起因した腹痛でその内容が虫垂であることを診断し,緊急手術の方針とした。手術は虫垂切除術およびDirect Kugel patch法によるヘルニア根治術を行った。術後経過は良好で術後3病日に退院となった。近年CT検査の発達によりヘルニア嵌頓内容を正確に診断することが可能である。ヘルニア囊内に膿瘍を認める場合はSurgical site infectionのリスクを考え,人工物の使用は避けるべきであると考えられた。一方,早期手術例やCT検査で膿瘍形成のない症例では人工物を使用しても合併症が少ない可能性が示唆された。 |
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ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
DOI: | 10.11231/jaem.35.171 |