熊本地震における臨床工学技士の初動対応

平成28年(2016年)熊本地震は前震と本震で最大震度7を2度観測し、特に本震では地域に大きな被害が出た。本震は2016年4月16日の深夜に発生し、当直の臨床工学技士は1件の緊急血液透析に対応中であった。発生後に11名の臨床工学技士が自主参集して、災害対応マニュアルに基づき、医療機器の状況確認と被害対応に従事した。災害対応マニュアルは初動の役割を明確にして有効であったが、確認すべき機器の選出や優先順位の記載はなかったため、これらは、当事者による現場での立案となった。また、12名の臨床工学技士は、役割の完遂に尽力したが、災害対策本部との連携に課題を残した。当院では、震災後に事業継続計画(Busi...

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Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 2; pp. 141 - 146
Main Authors 豊田, 麻理子, 黒田, 彰紀, 森, 正樹, 鳥越, 和就, 曽條, 恭裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本災害医学会 24.07.2024
日本災害医学会
Subjects
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ISSN2189-4035
2434-4214
DOI10.51028/jjdisatmed.29.2_141

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Summary:平成28年(2016年)熊本地震は前震と本震で最大震度7を2度観測し、特に本震では地域に大きな被害が出た。本震は2016年4月16日の深夜に発生し、当直の臨床工学技士は1件の緊急血液透析に対応中であった。発生後に11名の臨床工学技士が自主参集して、災害対応マニュアルに基づき、医療機器の状況確認と被害対応に従事した。災害対応マニュアルは初動の役割を明確にして有効であったが、確認すべき機器の選出や優先順位の記載はなかったため、これらは、当事者による現場での立案となった。また、12名の臨床工学技士は、役割の完遂に尽力したが、災害対策本部との連携に課題を残した。当院では、震災後に事業継続計画(Business Continuity Plan: BCP)を作成して、今回の課題の改善を図っている。また、定期的に訓練を行い、人材育成に努めている。
ISSN:2189-4035
2434-4214
DOI:10.51028/jjdisatmed.29.2_141