亜腸閉塞を契機に発見されたS状結腸原発GISTの切除例と結腸原発GISTの特徴

症例は80歳,男性。右下腹部痛と腹部膨満を主訴に当院を受診した。腹部CTで骨盤内に腫瘍径14cmの分葉状腫瘍を認め,下部内視鏡検査と注腸検査でS状結腸への圧排による亜腸閉塞所見を認めたため,緊急手術を施行した。手術所見として骨盤内腫瘍はS状結腸と連続し,小腸間膜への浸潤を認めS状結腸部分切除ならびに小腸部分切除を施行した。さらに多数の腹膜播種を認め肉眼的に完全切除した。病理組織学的所見はc-kit陽性を認め,高リスクのS状結腸原発gastrointestinal stromal tumor((以下,GIST)であった。大腸原発GISTはGIST全体の5%とまれで多くは直腸が原発であり,結腸原発...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 37; no. 3; pp. 437 - 441
Main Authors 杉田, 浩章, 宗本, 義則, 島田, 雅也, 古谷, 裕一郎, 斎藤, 健一郎, 三井, 毅
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2017
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.37.437

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Summary:症例は80歳,男性。右下腹部痛と腹部膨満を主訴に当院を受診した。腹部CTで骨盤内に腫瘍径14cmの分葉状腫瘍を認め,下部内視鏡検査と注腸検査でS状結腸への圧排による亜腸閉塞所見を認めたため,緊急手術を施行した。手術所見として骨盤内腫瘍はS状結腸と連続し,小腸間膜への浸潤を認めS状結腸部分切除ならびに小腸部分切除を施行した。さらに多数の腹膜播種を認め肉眼的に完全切除した。病理組織学的所見はc-kit陽性を認め,高リスクのS状結腸原発gastrointestinal stromal tumor((以下,GIST)であった。大腸原発GISTはGIST全体の5%とまれで多くは直腸が原発であり,結腸原発GISTはさらにまれである。今回われわれは亜腸閉塞を契機に発見されたS状結腸原発GISTの切除例を経験したので,これまでの結腸原発GISTの報告例とその特徴についても併せて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.37.437