CT-FEMによるBKP後の続発性圧迫骨折予測解析

加齢にともない骨粗鬆症が進行すると骨強度が大きく低下するために、骨格の様々な部位で簡単に骨折が生じることが問題となっている。その中でも椎体の圧迫骨折は低荷重状態でも生じることが知られている。最近、骨折後の治療方法として骨折部をバルーンで拡張し骨セメントを注入するバルーン椎体形成術(BKP)が行われているが、BKP後にも圧迫骨折が生じる危険性は存在しており、BKPがその危険性に対してどの程度の効果を有しているのかは明らかになっていない。そこで本研究では、2名の骨粗鬆症患者のBKP前後のCTデータよりFEモデルを構築し、損傷モデルを導入したFEMにより解析を行うことで、続発性圧迫骨折に及ぼすBKP...

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Published in生体医工学 Vol. 55Annual; no. 5PM-Abstract; p. 491
Main Authors 東藤, 貢, 米澤, 郁穂, 小屋, 祐希
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2017
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Summary:加齢にともない骨粗鬆症が進行すると骨強度が大きく低下するために、骨格の様々な部位で簡単に骨折が生じることが問題となっている。その中でも椎体の圧迫骨折は低荷重状態でも生じることが知られている。最近、骨折後の治療方法として骨折部をバルーンで拡張し骨セメントを注入するバルーン椎体形成術(BKP)が行われているが、BKP後にも圧迫骨折が生じる危険性は存在しており、BKPがその危険性に対してどの程度の効果を有しているのかは明らかになっていない。そこで本研究では、2名の骨粗鬆症患者のBKP前後のCTデータよりFEモデルを構築し、損傷モデルを導入したFEMにより解析を行うことで、続発性圧迫骨折に及ぼすBKPの影響について、定量的評価を試みた。骨折が生じた椎体を中央に計5個の椎体でFEモデルを構築した。椎体間には椎間板が挿入してあり、底面を固定し上面から圧縮荷重を負荷する境界条件を与えた。また、骨折部位の上下の椎体を単独で抽出したモデルを作成し、それぞれ計算機上で圧縮試験を試みることで、各椎体の強度および骨折条件を評価した。BKP前後での5椎体モデルによるFEAの結果と、単独椎体のFEAの結果を重ね合わせることで、続発性圧迫骨折の発生開始荷重を予測した結果、BKPにより骨折の危険性が低下することが明らかになった。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.55Annual.491