つまずき予防のためのワイヤ駆動型歩行訓練ロボットによる短期的トルク印加手法の構築
高齢者の心身機能低下の悪循環を防止するために,つまずきの予防が重要である.つまずきにくい歩容を学習させるためには,歩行訓練中につまずきにくい歩容で能動的に歩行するように促すことが必要である.能動的な歩行を促す手法として,歩行周期全体ではなく,短期的にアシストするように歩行訓練ロボットを制御する手法が有効である.一方で,短期的な介入でつまずきにくい歩容生成を可能とするためのロボットの介入手法は明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,短期的にロボットが介入することでつまずきにくい歩容を生成できる介入タイミングの導出である.遊脚期の筋発揮が最大となるのが遊脚初期であることから,遊脚初期における...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 3AM-Abstract; p. 176 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.55Annual.176 |
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Summary: | 高齢者の心身機能低下の悪循環を防止するために,つまずきの予防が重要である.つまずきにくい歩容を学習させるためには,歩行訓練中につまずきにくい歩容で能動的に歩行するように促すことが必要である.能動的な歩行を促す手法として,歩行周期全体ではなく,短期的にアシストするように歩行訓練ロボットを制御する手法が有効である.一方で,短期的な介入でつまずきにくい歩容生成を可能とするためのロボットの介入手法は明らかになっていない.そこで,本研究の目的は,短期的にロボットが介入することでつまずきにくい歩容を生成できる介入タイミングの導出である.遊脚期の筋発揮が最大となるのが遊脚初期であることから,遊脚初期における介入が遊脚期全体のつま先高さに影響を持つという仮説を立てた.下肢関節の中で,特に下肢関節間の中心に存在する膝関節は,股関節と足関節の動きと連動し,遊脚期全体のつま先高さ増加への寄与が高い.従って,膝関節の屈曲動作に着目し,膝関節への屈曲トルクの印加タイミングの違いによるつま先高さ変化の違いを調べた.トルクの印加時間と大きさは一定とし,タイミングのみを変化させることで,つまずきを回避できるトルク印加タイミングを導出した.若年健常者5名で実験を行った結果,つま先離床する遊脚初期において歩行訓練ロボットが膝関節へ屈曲トルクを印加することで,つまずきが生じやすいフェーズにおけるつま先高さを増加できた. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.55Annual.176 |