容積振動型外耳道内血圧計測システムの開発
高血圧患者などへ運動療法が推奨されるようになったことで,運動負荷中の血圧計測の重要性はますます高まっている.しかし,運動負荷に伴う激しい体動外乱により,従来の血圧計では安定した運動負荷中の血圧計測は困難である.運動中の計測に特化した血圧計も市販されているが,一般に普及するまでには至っていない.そこで本研究では,より簡便で高精度な運動負荷中の血圧計測を目指し,計測部位として運動負荷時でも外乱の混入が比較的少ないと予想される外耳道内に着目した.血圧計測原理には容積振動法を用いることとし,まず最初に,反射型フォトセンサとバルーンからなるプローブを新たに試作し,外耳道内での光電容積脈波(Photopl...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 3PM-Abstract; p. 249 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.55Annual.249 |
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Summary: | 高血圧患者などへ運動療法が推奨されるようになったことで,運動負荷中の血圧計測の重要性はますます高まっている.しかし,運動負荷に伴う激しい体動外乱により,従来の血圧計では安定した運動負荷中の血圧計測は困難である.運動中の計測に特化した血圧計も市販されているが,一般に普及するまでには至っていない.そこで本研究では,より簡便で高精度な運動負荷中の血圧計測を目指し,計測部位として運動負荷時でも外乱の混入が比較的少ないと予想される外耳道内に着目した.血圧計測原理には容積振動法を用いることとし,まず最初に,反射型フォトセンサとバルーンからなるプローブを新たに試作し,外耳道内での光電容積脈波(Photoplethysmograph:PPG)検出を試みると共に,体動外乱に対する信号安定性の評価を行った.具体的には,安静時のPPG信号と任意の体動(任意方向の周期的な首振り運動)を加えた状態のPPGを比較したところ,PPGの直流成分及び交流成分ともに体動成分の混入は見られず,本手法が体動対策として有効であることが確認された.次に試作システムによりバルーン加減圧時のPPGを計測したところ,管法則に則ったPPGの振幅変化が観察されたことから,外耳道を計測部位として容積振動法による無侵襲血圧計測の可能性が確認できた. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.55Annual.249 |