地方中核病院における80歳以上高齢者腹部緊急手術症例301例の検討

2008年4月から2014年3月までの6年間に兵庫県立淡路医療センターで経験した80歳以上の高齢者腹部緊急手術301例について,その疾患構成の特徴,死亡率,入院期間などについて検討した。平均年齢は85.6歳(最高齢99歳)。疾患別ではイレウスが85例と最多であった。イレウス,ヘルニア嵌頓,消化管穿孔,虫垂炎を合わせると全体の85%となっていた。Oncologic emergency症例は52例(17.3%)であり,大部分は大腸癌が原因であった。周術期合併症は99例,術後死亡は30例で認めた。平均在院期間は26.1日であった。術後合併症を認めた症例では入院期間が長くなっていた。これから迎えるさら...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 37; no. 4; pp. 537 - 541
Main Authors 川嶋, 太郎, 小山, 隆司, 大石, 達郎, 高橋, 応典, 坂平, 英樹, 金本, 義明, 吉岡, 佑太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2017
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Summary:2008年4月から2014年3月までの6年間に兵庫県立淡路医療センターで経験した80歳以上の高齢者腹部緊急手術301例について,その疾患構成の特徴,死亡率,入院期間などについて検討した。平均年齢は85.6歳(最高齢99歳)。疾患別ではイレウスが85例と最多であった。イレウス,ヘルニア嵌頓,消化管穿孔,虫垂炎を合わせると全体の85%となっていた。Oncologic emergency症例は52例(17.3%)であり,大部分は大腸癌が原因であった。周術期合併症は99例,術後死亡は30例で認めた。平均在院期間は26.1日であった。術後合併症を認めた症例では入院期間が長くなっていた。これから迎えるさらなる高齢化社会において,高齢者腹部緊急手術の増加は避けることができず,その特徴を十分に理解しておく必要がある。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.37.537