介護予防教室の活動報告~オリジナルエクササイズの効果検証

【はじめに、目的】 近年、全国各地で介護予防事業が展開され,地方自治体の委託 にて介護予防教室が開催されている。長期的に介護予防教室や通いの場への参加をすることで、要介護状態になる事への予防や認知症予防への効果があることは多くの研究が明らかにしている。今回,下関市の委託を受け介護予防教室を開催した。プログラムの一部として、オリジナルのエクササイズ動画を作成し運動を行い、教室開始時と終了時の身体機能に関する比較検討を行ったので報告する。短期間 (約3か月)での運動効果の検 証を行う事で、高齢者に対しての適切な運動内容の検討を行い、高齢者の介護予防・健康増進に役立てていく事を目的とした。 【方法】...

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Published inJapanese Society of physical therapy for prevention (supplement) Vol. 2.Suppl.No.1; p. 264
Main Authors 小河, 一彦, 本宮, 丈嗣, 入野, 淳平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 31.03.2024
Japanese Society of physical therapy for prevention
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_264

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Summary:【はじめに、目的】 近年、全国各地で介護予防事業が展開され,地方自治体の委託 にて介護予防教室が開催されている。長期的に介護予防教室や通いの場への参加をすることで、要介護状態になる事への予防や認知症予防への効果があることは多くの研究が明らかにしている。今回,下関市の委託を受け介護予防教室を開催した。プログラムの一部として、オリジナルのエクササイズ動画を作成し運動を行い、教室開始時と終了時の身体機能に関する比較検討を行ったので報告する。短期間 (約3か月)での運動効果の検 証を行う事で、高齢者に対しての適切な運動内容の検討を行い、高齢者の介護予防・健康増進に役立てていく事を目的とした。 【方法】 対象は令和3年に下関市の委託を受けて開催した、介護予防教室の参加者で初回と最終回の体力評価を実施した参加者61名。男性5名、女性56名、平均年齢76.9±5.7歳、平均参加回数 11.9回。測定項目は握力、長座体前屈、片脚立位、立ち上がり (CS30)、5m歩行の5項目とした。 解析方法は,運動介入前後で各項目に対して対応のあるt検定を行い、統計ソフトはJSTATを用いた。 【結果】 握力 (左右)、長座体前屈、片脚立位 (左右)、立ち上がり (CS30)、 5m歩行で有意差が見られ (p<0.01)、測定値の向上が認められ た。数値が改善した人数の割合は、握力右77%、握力左67%、長座体前屈72%、立ち上がり72%、5m歩行69%で約7割に改善が見られた。また、返却立位では有意差が認められなかったが、初回で片脚立位時間が左右ともに30秒以下だった参加者に限った場合では、平均値が右2.3秒、左4.7秒の改善が見られた。 【考察】 今回の検討では,握力、長座体前屈、立ち上がり、5m歩行の 4 項目に有意 な改善を認め,介護予防教室により体力の向上効果が得られたと考えられる。また、片脚立位では左右ともに有意差は認めなかったが、初回で片脚立位時間が左右ともに30秒以下だった参加者に限った場合では、平均値が右2.3秒、左4.7秒の改善が見られており一定の効果があったと考える。 【結論】今回の介護予防教室では、下肢の筋力、耐久性、バランス強化の運動を多く取り入れたプログラムを作成し運動を行った結果、短期間の介護予防教室でも運動内容によっては十分な効果が期待できることが検証された。今後も介護予防教室の効果判定継続し,より効果的な運動メニューの実施や教室の運営に役立てていきたい。 【倫理的配慮】本研究は、ヘルシンキ宣言に基づき当院倫理委員会の承認を得て行った。
Bibliography:YP-08-2
ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.2.Suppl.No.1.0_264