評価科学としてのレギュラトリーサイエンスの考え方
レギュラトリーサイエンス(RS)の概念は、1987年、内山充氏によって提唱され、規制政策に科学的根拠を与える“行政科学”の側面以外に既存の基礎科学や応用科学とは異なる“評価科学”の側面を持つことが指摘された。我々は「医療RSを健康医療に関わる先進的科学技術と人・社会の調和・調整を図り、真の人類の利益・幸福をもたらすための評価・予測・意思決定科学。」と定義している。科学は不確実性を伴うため、科学的データの評価により、科学的合理性を判断し、さらに社会的妥当性を判断し、社会的合意を求めて決断(意思決定)する。換言すれば、多次元の分析が必要(multidisciplinarity)であり、自然科学と社...
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Published in | Transactions of Japanese Society for Medical and Biological Engineering Vol. 55Annual; no. 3PM-Abstract; p. 194 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2017
Japanese Society for Medical and Biological Engineering |
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.55Annual.194 |
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Summary: | レギュラトリーサイエンス(RS)の概念は、1987年、内山充氏によって提唱され、規制政策に科学的根拠を与える“行政科学”の側面以外に既存の基礎科学や応用科学とは異なる“評価科学”の側面を持つことが指摘された。我々は「医療RSを健康医療に関わる先進的科学技術と人・社会の調和・調整を図り、真の人類の利益・幸福をもたらすための評価・予測・意思決定科学。」と定義している。科学は不確実性を伴うため、科学的データの評価により、科学的合理性を判断し、さらに社会的妥当性を判断し、社会的合意を求めて決断(意思決定)する。換言すれば、多次元の分析が必要(multidisciplinarity)であり、自然科学と社会科学における多数の学問領域が協力する研究活動(学の融合、transdisciplinarity)であり、かつ既存の学問領域の境界領域に形成する新たな学問分野(学際、interdisciplinarity)である。その学問体系化とその実現に向けての評価法・解析法など方法論の確立は緒に着いたところである ここでは、医療機器の承認時におけるベネフィット・リスク評価について議論されるであろう。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.55Annual.194 |