主膵管損傷を伴う外傷性膵損傷に対して,内視鏡的ドレナージを中心とした保存的加療で軽快した1例

内視鏡的膵管ドレナージを中心とした保存的加療が成功した,主膵管損傷を伴う外傷性膵損傷の1例を経験したので報告する。(症例)21歳男性,運転中の単独事故で受傷,画像所見で主膵管損傷を伴う膵損傷と診断した。内視鏡的膵管ドレナージに成功,全身状態も安定していたため,保存的加療を選択。受傷24日後に膵管ドレナージを内瘻化し,受傷49日後に軽快退院となった。(考察)主膵管損傷を伴う膵損傷は従来手術の絶対適応とされてきたが,近年内視鏡での膵管ドレナージを中心とした保存的治療が可能な症例があることが報告されている。症例選択にはさまざまな条件を加味して検討する必要があるが,場合によっては大侵襲手術の回避につな...

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Published inNihon Fukubu Kyukyu Igakkai Zasshi (Journal of Abdominal Emergency Medicine) Vol. 35; no. 5; pp. 691 - 694
Main Authors 安冨, 淳, 松本, 正成, 宇田川, 郁夫, 鈴木, 大, 竹林, 三喜子, 伊良部, 真一郎, 草塩, 公彦, 榛澤, 侑介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2015
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
Subjects
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.35.691

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Summary:内視鏡的膵管ドレナージを中心とした保存的加療が成功した,主膵管損傷を伴う外傷性膵損傷の1例を経験したので報告する。(症例)21歳男性,運転中の単独事故で受傷,画像所見で主膵管損傷を伴う膵損傷と診断した。内視鏡的膵管ドレナージに成功,全身状態も安定していたため,保存的加療を選択。受傷24日後に膵管ドレナージを内瘻化し,受傷49日後に軽快退院となった。(考察)主膵管損傷を伴う膵損傷は従来手術の絶対適応とされてきたが,近年内視鏡での膵管ドレナージを中心とした保存的治療が可能な症例があることが報告されている。症例選択にはさまざまな条件を加味して検討する必要があるが,場合によっては大侵襲手術の回避につながることもあり,その中心となる内視鏡的治療の果たす役割は大きい。近年の消化器内視鏡手技の発達に伴い,腹部救急領域においても,内視鏡的治療の重要性が増しているものと考えられた。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.35.691