訪問看護師を対象とした「膀胱留置カテーテル挿入・管理」感染管理研修会効果検証
我々は“訪問看護師を対象とした感染管理教育プログラム”全12回のうち,第8回『膀胱留置カテーテル挿入・管理』研修会を開催し,参加者の学習効果を検証した.対象は,2ヶ所の訪問看護ステーション訪問看護師20名とした.研修会は,それぞれ平日の夕方1時間で開催した.参加者の学習効果は,膀胱留置カテーテル挿入・管理に関する感染管理の知識・技術27項目の修得度を研修会前(「事前修得度」)と研修会後(「事後修得度」)に調査し,その変化を分析した.なお,項目毎の修得状況は,{全くできない}1点~{十分できる}5点とし,平均値を算出し,事前と事後修得度の比較にはWilcoxonの順位和検定,各修得度と訪問看護師...
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Published in | 日本環境感染学会誌 Vol. 24; no. 6; pp. 417 - 424 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本環境感染学会
2009
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Subjects | |
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Summary: | 我々は“訪問看護師を対象とした感染管理教育プログラム”全12回のうち,第8回『膀胱留置カテーテル挿入・管理』研修会を開催し,参加者の学習効果を検証した.対象は,2ヶ所の訪問看護ステーション訪問看護師20名とした.研修会は,それぞれ平日の夕方1時間で開催した.参加者の学習効果は,膀胱留置カテーテル挿入・管理に関する感染管理の知識・技術27項目の修得度を研修会前(「事前修得度」)と研修会後(「事後修得度」)に調査し,その変化を分析した.なお,項目毎の修得状況は,{全くできない}1点~{十分できる}5点とし,平均値を算出し,事前と事後修得度の比較にはWilcoxonの順位和検定,各修得度と訪問看護師属性との比較には,Spearmanの順位相関係数を用いた.27項目の修得度は,事前修得度3.6点から事後修得度4.6点に上昇した.項目別では全項目の修得度が上昇し,26項目で統計学的有意差がみられた.訪問看護師属性との比較では,事前修得度では10項目が看護職経験年数で正の相関がみられ,事後修得度では2項目が訪問看護経験年数で正の相関がみられた.研修会は膀胱留置カテーテル挿入・管理に関する感染管理の知識・技術を向上させる上で効果的であったと考えられた.ただし,修得状況があまり上昇しなかった項目は,今後,教育方法の検討が必要である. |
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ISSN: | 1882-532X 1883-2407 |
DOI: | 10.4058/jsei.24.417 |