退院準備期間短縮へ向けての大腸ERASプロトコル導入の検討

目的:患者が早期の回復を自覚できる大腸ERASプロトコルを考案し,術後在院日数に及ぼす効果について前向きに検討した.方法:2011年8月から2012年10月に,結腸待機手術を受けた92名を対象とした.早期回復を促す工夫として,ERAS各要素に加え,味等を工夫した低残渣スープ食を周術期に提供した.また,入院時より万歩計を貸与し,活動量を自己管理出来るようにした.本介入開始以前に従来法で管理された55例を対照とした.結果:術後在院日数は5日(従来群8日,p<0.01),主治医が退院を許可してから実際に退院した日までの退院準備期間は1日(4日,p<0.01)と有意に短縮した.周術期合併症の発生率に差...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 2043 - 2050
Main Authors 今村, 清隆, 斎藤, 博紀, 石井, 生, 清水, 徹, 寺村, 紘一, 南野, 佳英, 嶋口, 万友, 樫村, 暢一, 岡田, 尚也, 高田, 実, 中村, 文隆, 安保, 義恭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.2043

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Summary:目的:患者が早期の回復を自覚できる大腸ERASプロトコルを考案し,術後在院日数に及ぼす効果について前向きに検討した.方法:2011年8月から2012年10月に,結腸待機手術を受けた92名を対象とした.早期回復を促す工夫として,ERAS各要素に加え,味等を工夫した低残渣スープ食を周術期に提供した.また,入院時より万歩計を貸与し,活動量を自己管理出来るようにした.本介入開始以前に従来法で管理された55例を対照とした.結果:術後在院日数は5日(従来群8日,p<0.01),主治医が退院を許可してから実際に退院した日までの退院準備期間は1日(4日,p<0.01)と有意に短縮した.周術期合併症の発生率に差はなかった.万歩計上の活動量は術後4日目には術前とほぼ同等になった.結語:大腸ERASプロトコルに,患者が術後早期の回復を自覚できる工夫を加えることで,退院準備期間の短縮に寄与した可能性が示唆された.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.2043