肝炎ウイルス検査陽性患者に対する検査報告システムの効果的な運用方法―肝臓専門医受診率向上のさらなる工夫
非肝臓専門診療科で実施される肝炎ウイルス検査の結果が受検者に適切に説明されるように,当院では2013年に電子カルテ上で検査陽性を知らせるアラートの自動表示システムを導入した.このシステムを利用して担当医が説明した割合は28%と不十分であったため,検査実施診療科了解のもと検査陽性者へ検査報告書を郵送し,検査陽性者への報告率は89%と改善した.肝臓専門医への紹介状と返信用書類を同封,郵送半年後に肝臓専門医受診を確認できていない場合は再送し,肝炎専門医受診把握率は49%から72%に改善した(p<0.001).検査報告書再送で肝精査の必要性に気づき肝臓専門医を受診し,肝炎治療を受けた症例もあった.肝炎...
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Published in | 肝臓 Vol. 58; no. 8; pp. 427 - 434 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2017
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Summary: | 非肝臓専門診療科で実施される肝炎ウイルス検査の結果が受検者に適切に説明されるように,当院では2013年に電子カルテ上で検査陽性を知らせるアラートの自動表示システムを導入した.このシステムを利用して担当医が説明した割合は28%と不十分であったため,検査実施診療科了解のもと検査陽性者へ検査報告書を郵送し,検査陽性者への報告率は89%と改善した.肝臓専門医への紹介状と返信用書類を同封,郵送半年後に肝臓専門医受診を確認できていない場合は再送し,肝炎専門医受診把握率は49%から72%に改善した(p<0.001).検査報告書再送で肝精査の必要性に気づき肝臓専門医を受診し,肝炎治療を受けた症例もあった.肝炎ウイルス検査陽性者への報告を徹底することは肝臓専門医受診率の向上や適切な肝炎治療の受療に有用である. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.58.427 |