開心術の経食道心エコーに関連した消化管損傷の3症例

開心術や大血管手術では経食道心エコー(Transesophageal Echocardiography, TEE)が非侵襲的で安全性の高いモニターとして用いられる。しかし,稀にプローブ挿入や描出操作に伴う消化管損傷を合併し,全身状態の悪化や致死的結果を招く。今回,開心術でTEE使用による周術期の消化管損傷を3例経験した。症例1は未診断の胃前庭部毛細血管拡張症があり,術後抗凝固薬の開始から数日後に顕在化した出血性潰瘍,症例2はプローブ挿入直後に口腔内血液貯留を来たした食道損傷,症例3は術後12日目にアナフィラキシーショックを契機に胃粘膜障害が進行した裂創である。プローブ挿入が問題なく完了した場合...

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Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 22; no. 1; pp. 113 - 117
Main Authors 美馬, 裕之, 武田, 勇毅, 谷, 大輔, 植田, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本心臓血管麻酔学会 01.08.2018
日本心臓血管麻酔学会
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ISSN1342-9132
1884-7439
DOI10.11478/jscva.2017-3-011

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Summary:開心術や大血管手術では経食道心エコー(Transesophageal Echocardiography, TEE)が非侵襲的で安全性の高いモニターとして用いられる。しかし,稀にプローブ挿入や描出操作に伴う消化管損傷を合併し,全身状態の悪化や致死的結果を招く。今回,開心術でTEE使用による周術期の消化管損傷を3例経験した。症例1は未診断の胃前庭部毛細血管拡張症があり,術後抗凝固薬の開始から数日後に顕在化した出血性潰瘍,症例2はプローブ挿入直後に口腔内血液貯留を来たした食道損傷,症例3は術後12日目にアナフィラキシーショックを契機に胃粘膜障害が進行した裂創である。プローブ挿入が問題なく完了した場合でも,常に消化管損傷を想定した周術期管理が必要である。
ISSN:1342-9132
1884-7439
DOI:10.11478/jscva.2017-3-011