両側副腎腫瘍が疑われた免疫不全症に伴う播種性Mycobacterium avium complex症の1例
49歳,男性.発熱,高カルシウム(Ca)血症のため入院.両側副腎腫大を認め,当初悪性腫瘍が疑われたが,胃,肝臓,皮膚,血液等複数臓器よりMycobacterium avium complex(MAC)を検出し,播種性MAC症と診断した.高Ca血症は肉芽腫性炎症に起因した病態と考えられた.幼少期より多数の感染症罹患歴があり,精査にて免疫不全の存在も明らかとなったが,関連する遺伝子異常は認めず,分類不能型免疫不全症(common variable immunodeficiency:CVID)と診断した.抗菌治療開始後,抗酸菌培養は陰性化,副腎病変も縮小を認めた....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 111; no. 3; pp. 605 - 610 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.03.2022
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.111.605 |
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Summary: | 49歳,男性.発熱,高カルシウム(Ca)血症のため入院.両側副腎腫大を認め,当初悪性腫瘍が疑われたが,胃,肝臓,皮膚,血液等複数臓器よりMycobacterium avium complex(MAC)を検出し,播種性MAC症と診断した.高Ca血症は肉芽腫性炎症に起因した病態と考えられた.幼少期より多数の感染症罹患歴があり,精査にて免疫不全の存在も明らかとなったが,関連する遺伝子異常は認めず,分類不能型免疫不全症(common variable immunodeficiency:CVID)と診断した.抗菌治療開始後,抗酸菌培養は陰性化,副腎病変も縮小を認めた. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.111.605 |