両側声帯麻痺を合併した未治療2型糖尿病の1症例
76歳,女性.嗄声及び呼吸困難にて当院を受診,両側声帯麻痺を認めた.また,随時血糖467 mg/dl,HbA1c(hemoglobin A1c)16.2%と高値であり,未治療の2型糖尿病患者であった.インスリングラルギン及びDPP(dipeptidyl peptidase)-4阻害薬による高血糖の是正により,約2週後には嗄声の改善を認めた.糖尿病性単神経障害では,動眼神経をはじめとした脳神経の麻痺が多く,反回神経の障害は稀である.糖尿病患者では,声帯麻痺が合併し得ることも念頭に置き,診療する必要がある....
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Published in | 日本内科学会雑誌 Vol. 110; no. 4; pp. 810 - 816 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本内科学会
10.04.2021
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Subjects | |
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ISSN | 0021-5384 1883-2083 |
DOI | 10.2169/naika.110.810 |
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Summary: | 76歳,女性.嗄声及び呼吸困難にて当院を受診,両側声帯麻痺を認めた.また,随時血糖467 mg/dl,HbA1c(hemoglobin A1c)16.2%と高値であり,未治療の2型糖尿病患者であった.インスリングラルギン及びDPP(dipeptidyl peptidase)-4阻害薬による高血糖の是正により,約2週後には嗄声の改善を認めた.糖尿病性単神経障害では,動眼神経をはじめとした脳神経の麻痺が多く,反回神経の障害は稀である.糖尿病患者では,声帯麻痺が合併し得ることも念頭に置き,診療する必要がある. |
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ISSN: | 0021-5384 1883-2083 |
DOI: | 10.2169/naika.110.810 |