肝USスコアを用いた慢性肝疾患における食道静脈瘤存在の推定

【目的】肝臓の辺縁,表面,実質の各項目を超音波検査にて評価し,各項目をスコア化して求めた肝USスコア1)(Nishiura et al. 2005)が慢性肝疾患の食道静脈瘤の存在推定において有用であるかどうか検討する.【方法】慢性肝疾患患者260例について肝USスコアを算出し,消化管内視鏡所見,血液生化学所見とともに比較検討し,静脈瘤と最も関連のある因子を解析した.【結果】多変量解析による静脈瘤存在因子の解析では,肝USスコア≥6.0がp<0.0001,ハザード比33.90と,検討した全ての因子の中で最もハザード比が高く有意であり,ROC解析においてもAz=0.9296と肝USスコアが最...

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Published in肝臓 Vol. 49; no. 4; pp. 153 - 158
Main Authors 伊東, 正博, 西浦, 哲哉, 河野, 義彦, 藤本, 俊史, 石橋, 大海, 渡辺, 秀明, 松岡, 陽治郎, 阿比留, 正剛, 矢野, 公士, 八橋, 弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2008
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.49.153

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Summary:【目的】肝臓の辺縁,表面,実質の各項目を超音波検査にて評価し,各項目をスコア化して求めた肝USスコア1)(Nishiura et al. 2005)が慢性肝疾患の食道静脈瘤の存在推定において有用であるかどうか検討する.【方法】慢性肝疾患患者260例について肝USスコアを算出し,消化管内視鏡所見,血液生化学所見とともに比較検討し,静脈瘤と最も関連のある因子を解析した.【結果】多変量解析による静脈瘤存在因子の解析では,肝USスコア≥6.0がp<0.0001,ハザード比33.90と,検討した全ての因子の中で最もハザード比が高く有意であり,ROC解析においてもAz=0.9296と肝USスコアが最も良好であった.肝USスコアの閾値が6.0以上とすると,静脈瘤の存在を推定する際の陽性感度は94%,特異度は73%であった.【結論】慢性肝疾患の静脈瘤存在の推定において肝USスコアは有用である.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.49.153