腸管切除を施行した鼠径部ヘルニア嵌頓症例に対する手術術式の検討

目的・方法:鼠径部ヘルニア嵌頓症例は少なくなく,ヘルニア修復法におけるメッシュを用いたtension-free法の是非については意見が分かれる.今回,2004年1月から2011年7月までに当科で施行した鼠径部ヘルニア2,362例のうち,嵌頓症例65例をretrospectiveに検討し,特に腸管壊死により切除術を行った症例に対する手術術式につき検討した.結果:嵌頓症例65例中52例にtension-free法が施行されており,全例で創部感染は認めなかった.腸管切除術を施行した15例のヘルニア修復法に対する手術術式はtension-free法9例,従来法6例であった.tension-free法に...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 5; pp. 1043 - 1048
Main Authors 渡瀬, 誠, 田中, 亮, 城田, 哲哉, 小川, 稔, 門脇, 隆敏, 丹羽, 英記, 森, 琢児, 小川, 淳宏, 廣岡, 紀文, 山口, 拓也, 南原, 幹男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.1043

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Summary:目的・方法:鼠径部ヘルニア嵌頓症例は少なくなく,ヘルニア修復法におけるメッシュを用いたtension-free法の是非については意見が分かれる.今回,2004年1月から2011年7月までに当科で施行した鼠径部ヘルニア2,362例のうち,嵌頓症例65例をretrospectiveに検討し,特に腸管壊死により切除術を行った症例に対する手術術式につき検討した.結果:嵌頓症例65例中52例にtension-free法が施行されており,全例で創部感染は認めなかった.腸管切除術を施行した15例のヘルニア修復法に対する手術術式はtension-free法9例,従来法6例であった.tension-free法において,メッシュ挿入に関連する合併症は認めなかった.腸管穿孔症例2例,大腸切除症例1例にはいずれも従来法が行われていた.結論:腸管切除術を要する鼠径部嵌頓ヘルニアに対するtension-free法は腸管穿孔症例および大腸切除術症例を除き,安全に施行できると思われた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.1043