rDNAとPCR-SSCP法によるヤマビル吸血動物種の同定(第51回日本衛生動物学会北日本支部大会講演要旨)
秋田県五城目町の山林で1970年代から急増したヤマビル(H. japonica)はその後もその生息域と生息数を拡大している. そこで, ヤマビルの効果的な蔓延防止策を勘案する目的でヤマビルの伝播および吸血対象動物の同定を試みた. 3ヵ年(1995, 1996, 2000年)で175匹のヤマビルを五城目町の山林から採取し, rDNA(28S ribosomal RNA)とPCR-SSCP(Imaging high-Chemilumi, 東洋紡)法により調べた. 対象動物は, テン, アカネズミ, タヌキ, カモシカ, ノウサギ, ヤマドリ, キジ, クマ, ヒト, キツネである. その結果29%...
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Published in | Medical Entomology and Zoology Vol. 56; no. 2; p. 151 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本衛生動物学会
2005
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ISSN | 0424-7086 2185-5609 |
DOI | 10.7601/mez.56.151_2 |
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Summary: | 秋田県五城目町の山林で1970年代から急増したヤマビル(H. japonica)はその後もその生息域と生息数を拡大している. そこで, ヤマビルの効果的な蔓延防止策を勘案する目的でヤマビルの伝播および吸血対象動物の同定を試みた. 3ヵ年(1995, 1996, 2000年)で175匹のヤマビルを五城目町の山林から採取し, rDNA(28S ribosomal RNA)とPCR-SSCP(Imaging high-Chemilumi, 東洋紡)法により調べた. 対象動物は, テン, アカネズミ, タヌキ, カモシカ, ノウサギ, ヤマドリ, キジ, クマ, ヒト, キツネである. その結果29%のヤマビルがカモシカを吸血しており, さらに, 少数であるがヤマドリまたはキジを吸血していた. これらの事から秋田県の山林においては, カモシカがヤマビルの生息数と生息域の拡大に主要な役割を果たしていることが推察され, 今後増加するカモシカの生息数をどのようにコントロールするかが大きな課題である. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.56.151_2 |