肝細胞癌に対するRFAにおける効果判定基準の提唱―局所再発率の検討から

【目的】RFA後の治療効果判定として結節周囲に得られた凝固域の程度に応じて症例を分類し,それぞれの局所再発率を求めその意義を検討する.【方法】RVS誘導下RFAを施行した77症例99結節を対象とした.結節周囲に得られた凝固域の程度に応じて根治度(Radicality grade, R grade)を4段階(R0, R1, R2, R3)に定義した.根治度ごとの累積局所再発率を求めるとともに,局所再発に寄与する因子を解析した.また,再発症例において,再発部位における治療後腫瘍との距離を検討した.【結果】根治度別の累積局所再発率は,2年で,R3:3.7%, R2:13.6%, R1:52.6%,...

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Published in肝臓 Vol. 49; no. 5; pp. 192 - 199
Main Authors 木村, 達, 波多野, 貴昭, 斎藤, 澄夫, 西川, 浩樹, 中辻, 正人, 大崎, 往夫, 川上, 尚人, 圓尾, 隆典, 池田, 敦之, 岡部, 純弘, 恵荘, 祐嗣, 山中, 伸一, 喜多, 竜一, 西島, 規浩, 松尾, 裕央
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2008
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.49.192

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Summary:【目的】RFA後の治療効果判定として結節周囲に得られた凝固域の程度に応じて症例を分類し,それぞれの局所再発率を求めその意義を検討する.【方法】RVS誘導下RFAを施行した77症例99結節を対象とした.結節周囲に得られた凝固域の程度に応じて根治度(Radicality grade, R grade)を4段階(R0, R1, R2, R3)に定義した.根治度ごとの累積局所再発率を求めるとともに,局所再発に寄与する因子を解析した.また,再発症例において,再発部位における治療後腫瘍との距離を検討した.【結果】根治度別の累積局所再発率は,2年で,R3:3.7%, R2:13.6%, R1:52.6%, R0:66.7%であった.多変量解析では根治度のみが局所再発に寄与する独立した有意な因子として検出された.局所再発した25例のうち20例は,治療結節外側の凝固域が5 mm未満の部位に再発を認めた.【結論】RFAの良好な治療効果判定基準として,全周に5 mm以上の凝固域を獲得することが望まれる.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.49.192