CT撮影時における介助者の被ばく低減を目的とした放射線防護カーテンの開発

【目的】CT検査において,患者の監視や体動抑制等が必要な場合,検査室内で患者介助を行う医療従事者に特化した放射線防護用具を用いた研究報告は見かけない.われわれは,特に介助機会の多い頭部CT検査時における介助者被ばくの低減を目的として,放射線防護カーテン(以下,防護カーテン)を開発し,その有用性について検討した.【方法】CT装置にてランドファントムを頭部条件で撮影し,防護カーテンの有無における介助者の水晶体,胸部,腹部を想定した位置の空気吸収線量(以下,空間線量)をガラス線量計にて測定した.【結果】防護カーテンの使用により,CT室内の広域にわたる空間線量は大きく低減した.また,水晶体,胸部,腹部...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本放射線技術学会雑誌 Vol. 78; no. 2; pp. 140 - 151
Main Authors 加藤, 京一, 中島, 潤也, 宮坂, 航示, 諸井, 里香, 保科, 匠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本放射線技術学会 20.02.2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0369-4305
1881-4883
DOI10.6009/jjrt.780201

Cover

More Information
Summary:【目的】CT検査において,患者の監視や体動抑制等が必要な場合,検査室内で患者介助を行う医療従事者に特化した放射線防護用具を用いた研究報告は見かけない.われわれは,特に介助機会の多い頭部CT検査時における介助者被ばくの低減を目的として,放射線防護カーテン(以下,防護カーテン)を開発し,その有用性について検討した.【方法】CT装置にてランドファントムを頭部条件で撮影し,防護カーテンの有無における介助者の水晶体,胸部,腹部を想定した位置の空気吸収線量(以下,空間線量)をガラス線量計にて測定した.【結果】防護カーテンの使用により,CT室内の広域にわたる空間線量は大きく低減した.また,水晶体,胸部,腹部の位置では約90%以上の空間線量が低減し,更に,防護カーテンに防護眼鏡および防護衣を併用することにより,約95%以上の空間線量が低減した.【結語】本研究において製作した防護カーテンの有用性が示唆された.
ISSN:0369-4305
1881-4883
DOI:10.6009/jjrt.780201